みぎブログ

主観で語りますフットボールを。

交際歴三年目から見た風間八宏あるある

先日、豊田スタジアムで開催されたサンフレッチェ広島戦の観客数が話題となりました。

こんな偶然あるんですね。このツイートの反響を見ても、どうやら話題性は抜群だったようです。友人からは「一枚の写真の方がいつものブログより話題になるね(にっこり)」と言われました。くそ、どっか穴に落ちろ。

実はこの試合、同じく愛知県内開催の中日ドラゴンズの観客数(36,360人)を上回っていたことご存じでしたでしょうか。もちろん名古屋側は無料招待もありましたし、試合数も異なります。ただGW開催で中日を上回った事実を過小評価する必要はありません。4万人もの人をGW期間中に集める。それだけの装置に今の名古屋はなっているのだと実感した次第です。

今回は平成生まれ一万人無料招待という企画で、おそらくサッカー観戦が初だった方もいるでしょう。初ではなくとも、久しぶりの観戦で魅了された方もいるでしょう。元号も新しくなったことです。ここは二年以上、風間八宏と付き合ってきた私から見た彼がどんな男なのか、「風間語録」ではなく「風間あるある」として伝えていこうじゃありませんか。悲しいかな我々に永遠の二文字はございません。いつかは彼との別れも訪れるでしょう。そのときは新しく彼女になる方々に、このブログを語り継いでいただければ言うことはございません。ものすごく分かりづらい男です。読んでくだされば分かります。根気が必要。さて、未知の世界にようこそ。

◼️風間八宏パーソナル編

ブレなさすぎ

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まずおさえて欲しいのは、我々にとっての主語は「俺たち(風間監督リスペクト)」です。相手ではございません。常に目を向けるべきは我々自身。この理解が乏しいと、彼とのコミュニケーション成り立ちません。で、この主語が全くブレない。ヒヨって急に相手が主語になることは皆無。これ自慢ではありませんが、我々は昨年15試合未勝利、ワールドカップ中断期間まで勝点9という異常事態を経験しております。降格もがんがんチラついておりましたが奇跡の残留劇。その間も彼がブレることは恐ろしいことにございませんでした。

だからいつも言っているのは、勝ちでも負けでも一喜一憂しないということ

失点の理由は大体こう言われます。

自分たちで失ってカウンターを起こさせているのでね

「いつも通り」言いがち

我々やマスコミの皆さんは、一試合一試合にドラマを求めがちです。何かと理由をつけては「この試合は特別である」と解釈し、そんな言葉が当事者の口から発せられるのを待ってしまう性。それはそうです。付き合ってる男性にこんな風に言われたらどうですか。「俺にとって毎回のデートに意味はない」。別れなさいそんな男とは。特別感演出しろ。

ただ風間監督、あろうことかどんなときも「いつも通り」しか言いません。気の利いたコメント、致しません。撮れ高、最悪です。ただ何故「いつも通り」に拘るのか。それは先ほどのブレなさ加減を知れば分かるところ。我々にとっていつも通りとは、即ち毎試合ベストを更新しようぜ、です。

いつも変わらない。同じ。この前よりも良くならないといけないから

いつもの通りで特別なことはありませんね

システムは「11」言いがち

これはここ最近ですね。やたら言うようになりました。先日神戸の監督を辞任したリージョは、我々が語りがちなシステム論を称して「人形の配置だ」と切り捨てましたが、風間監督はその中間をとってきました。わかった、数値にしてやるよ、「11」だと。Oh...究極。気が狂いそうだぜ。

去年も見ているからわかると思うけど、システムに意味はないです。実際、自分たちがどうするとスムーズにできるか、そういうことぐらいで相手のことでもないです

◼️チーム編

ハーフコートありきでカウンター喰らいがち

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我々のフットボールは、極限まで相手コートで展開することを狙いとしています。実際はフルコート分ありますが、相手を押し込んで、相手コートでミニゲームやれば我々が最強だと。端的にいえばこれが我々のフットボール。ということは、一つ相手に出し抜かれると一気にピンチ。だってみんな相手コートいますから。そこからは逃走犯追うのみです。最初の二年間は理想から程遠いですから大体このコメント。

“グラウンド”の作り方が自分たちの中で正確ではないのでね。そういうところも含めて、自分たちで自分たちのピッチをしっかり作っていけるようになるともっと楽になるし、もっといろんな連係ができてくると思うのでね

カウンターが起きる原因も我々。

ボールロストというのはプレッシャーがあって取られたものではなくて、何もないところでパスがズレたりとか、自分がトラップをミスしたりとか、次を何も考えてなくてボールを取られるとか、そういうもののことを言うのでね

ミスの定義も明確。俺たちに誤魔化しは効かないんだよ。

やっぱり何回も言うけどミスが多い。いい状態でもミスをしてしまう。フリーな状態で奪われるのを『ミス』と呼んでいるから

毎試合、必ず決定機作られがち

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ハーフコート全力意識とはつまり、網が緩めばカウンター、押し込まれれば想定外の自陣側サッカーになるため、そこからは「個人の力量任せた」の認識です。チームとして仕込んでるかと言われれば、いやそれは俺たちのフットボールの範疇ではないため、おそらく練習してません。試合は90分ありますからね。残念ながら相手の決定機が全くない試合はございません。ポストはよく磨き、念には念を込めてください。

センターバック、一回はポカやりがち

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これもあるあるです。理想を実現するために、選手の入れ替えが度々あります。特に風間監督のチームにおけるセンターバックは、攻守にフル稼働である意味最も総合力が問われるポジション。このチームほど足元の技術と走力、広い守備範囲、高い位置を取る勇気を求められるチームはないでしょう。よって慣れないタスクで大体のセンターバックは信じられないミスを一回はやります。仕様です。駄目の烙印を押さない、強い気持ちで見守る、つまり親目線よろしくです。

よって生まれる「守備陣の絆強すぎ」

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あまりにも守備陣のタスクが多く、また「あとはお前たち任せたぞ」戦法のため、気づけば守備陣に堅い絆が結ばれます。特に無失点に抑えた際、試合後に観られるディフェンスラインとゴールキーパーの面々による歓喜の輪が最大の見所です。喜びと同情の目で涙すら溢れます。お前達頑張った!

センタリングとか走りあいとか避けがち

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アバウトなフットボールを好みません。とにかく正確性。正確性を求めるために追求するのは技術。その技術の先に自信。この三段オチが風間ロジック。誤解していけないのは、センタリング禁止令は発令されておりません。正確に届けられない、中でマークが外れていないならアバウトに蹴るのやっちゃアカン。名古屋でいえば、例えば2010の「あとジョシュア頼んだ」的ダイナミックな展開は乏しいです。また我々が探すのはスペースではありません。「マークを外した味方」を探すのが我々です。華麗とか、美しいとか、その類なので、苦手な人は苦手でしょう。あぁぁ!!ってなります。

だからサッカーというのはよーいドンじゃないから。いつ、どこで見つけるか。いつも言っているように、いつ、どこで、どう、というのはずっと言っていることで、それがわかっていればね

シーズン通して波、結構きがち

昨年の流れは前述の通り。15試合未勝利から怒涛の7連勝、我々のクオリティ次第で成績はジェットコースターの如く上下動。ちなみにJ2で戦った2017シーズンも、連敗が続いたと思ったら勝ち始め、底を抜けたと思ったらまた負け始め。くっそ昇格どうすんだと思ったらまた勝ち始め。上手く行き始めると対策されそれ乗り越え、この連続。決して目の前の1試合で一喜一憂しないで。我々は年間を通して戦うのです。というか年間を通して成長しているのです(強い口調で)。最終的にシーズンの目標、結果にはコミットするのが特徴。つまりチームが、いや選手が成長したと解釈してください。

◼️選手編

若手をサイドバックで使いがち

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チームとして決まった動き方、いわゆる「型」が存在しないため、技術と頭脳が両立しない選手、特に若手は最初かなり苦労します。具体的にいえば、ボールを持てばスキルを発揮する系、この手のタイプは絶賛壁にぶち当たります。その場合、大抵はサイドバックからスタートさせるのが風間流。具体的なエピソードとして、和泉竜司を取り上げましょう。サイドバック、ストッパー、ボランチサイドハーフ、ありがとうございます。とにかくたらい回しに遭いました。

簡単に言えば周りが見えるようになったということ。最初は前に置いても彼は見えなかった。そこで“目を開く”作業を彼は2年間やってきた。それはオレたちもさせてきた。そこでしっかり見えるようになって、特に相手が良く見えるようになって、ボールロストが本当に少なくなったよね。それは彼がいろんなポジションををやったことで目が開いたということ

で、これだけ「個」にフォーカスしたチームですからね。当然必要となる能力の大前提はこれ。

1対1に強い選手好みがち

ここは先ほどのコメントの続きをお読みください。

でも逆に言えば彼がいろんなポジションに置いてもやれたということがあって、試されるチャンスがあったというのは、彼が「1対1に強かったから」だよね。それを今度は自分の目で見てどれだけやれるのか、ここ2年間でいろんなものが見えてきて、どこでやっても彼は彼のプレーができるようになった。一番大きいのは彼が余裕をもって相手を見ているということ。それが一番の成長だと

ということで、基本的にはコンバートも平気でやります。

選手のポジションをコンバートしがち

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名古屋でいえば、現在徳島の押谷がボランチ甲府の内田もボランチにストッパー、左サイドハーフ小林裕紀センターバックなど、当たり前のように試します。適性を見極める場合もあれば、異なるポジションに置いてその選手の課題に気づかせ、克服するために「あえて」変える場合もある。押谷の場合「プレーの連続性」に課題有りという指摘でした。

コンバート自体に大した意味はないと言います。

立ち位置が変わっただけ。やることは同じ

ただ明らかに意図した場合はやはり示唆に富みます。これまた和泉の例を挙げてみましょう。

彼の中で何が変わったかは知らないけど、毎日練習していればそのうち見えるようにはなってくる。ただ、彼の場合は両方あって、無駄なボールロストは多い。一つの部分は彼は良く見えるようになってきたけれども、いくつかの選択肢の中からという部分でもう一つグレードアップしてほしい。今、見えてきているのでね。その中で何を的確に選んでいくか。一つのものの中から決められた時には素晴らしいプレーをするので、いくつもの選択肢の中からその一つを速く的確に選べるようになったら本当にすごくレベルがまた上がると思う

終わったと思われてた選手復活しがち

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レギュラー争いは恐ろしいほどに平等。「上手ければ」と言ってしまえばそれまでですが、まあ端的にいえばその通りで上手ければ選ばれる。足りなければ選ばれない。理由は至ってシンプルです。前述の和泉の例が最たるもので、壁にぶち当たって苦労していた選手が、一つのきっかけで急に「目が開く」と覚醒するのが彼のチームの面白さ。もちろんそこに偶然性はありません。練習の出来さえ良ければ使ってもらえるため、全ての選手に「活躍出来る余白」が用意されているのが特徴。最近だとアーリアですね。遂にテニスプレイヤーに鞍替えかと思いましたが、今年は前線にポジションをかえ、今や我々には欠かせない主力選手です。

何でチャンスを与えるかと言えば、トレーニングの中で選手たちがパフォーマンスを見せれば、年齢のことではなく一番良い選手が出るべき

驚くような起用、ただし駄目なら即交代しがち

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練習で良ければ起用する。試合で使ってみて駄目なら即交代。ここも徹底してます。特にチームを構築している段階、つまり一年目〜二年目によく見るパターンです。三年目にもなるとそもそもチーム全体のレベルが上がってくるため、前半で代えられるくらいの理解度ではまず割って入れません。我々でいえば、一年目は杉森考起がとにかく前半交代の常連で、賛否両論呼びました。「それで交代枠毎回使うのやめてもらえませんか涙」と。ただ風間監督は全くブレません。良ければ使う、駄目なら代える。基準はそれだけです。

とにかく個人にフォーカスしがち

これまで読んでいただいて分かる通り、全ての主語は「俺たち」であり、主役は「選手」。チームはあくまで個人の集合体の認識、攻守においてミスが生まれればそれは「個人のミス」。攻撃の流れを止めるのも、守備で水を漏らすのも、全ては個人のプレーに起因する。つまるところ全部コレ。

一人ずつの力、力量は徹底的に意識させていくしかないと思う。チームでやられているところはほとんどないと思うので、自分たちが相手にボールをあげたり、何も抵抗しないでやられているのがすごく多いんでね。そういうところは一人ずつが自覚してやってくれれば良くなっていくと思うしね

◼️会見編

インタビュアーと禅問答になりがち

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これまでの内容、本人的には大真面目でも、一般論としては悲しいかな「変人(失礼)」扱い。普通に普通のことを聞いても、残念無念、会話は全く噛み合いません。個人的に好きだった名古屋番記者さんに対する風間監督の返しをどうぞ。

それも論外のテーマで、それをここで議論するつもりはない。人も違うしチームも違う。その時の選手の特徴でやるわけだから、それを一つひとつ話していったら5時間はかかる。そんなすべては簡単なものではないです

抽象論嫌いがち

見えない話題が嫌いです。見えないとは、例えば精神的な話です。ちげーんだよ、全ては技術なんだよ。「前節ですが2回追いつかれても勝ちきった部分でメンタリティーにも成長が見られたような気がしますが」。この質問はいけませんね。

得意だね、みんな。抽象的なものが

◼️ファミリー(サポーター)編

風間語みんな真似しがち

二年以上の付き合いにもなると、我々もあの喋り方を真似したくなります。この兆候いよいよ我々も本物になってきた証拠です。染まってくると、定期的にヤヒ語(語呂良し)で会話をし始める輩が現れますが、そのときは「我々も目が揃ってきたんだな」と優しい気持ちで見守ってください。

勝っても負けても文句言われがち

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結局これだけ独特な監督なので好き嫌いは真っ二つです。出る杭は打たれる、これはどの世界でも同じ。負けが続くと「早く辞めろ」、勝ち始めれば「あんなサッカーはやばい」。つまり一定層は「自分の美学に反する」ことがどうしても許せない。なので年がら年中、話題に事欠きません。批判する者は何があっても批判しますから。応援する者は何故か「信者」と命名されたりと、我々の目が揃わないとはなんたる皮肉。ただその論争は放っておいて問題なし。試合のエンタメ性、分かりやすさ、手に取るようにわかる「選手の成長」。これが最大の魅力。そしてこれもフットボールの醍醐味。で、今のグランパスファミリーは総じて楽しそうです。

いかがでしたか。これが風間八宏です。最後に彼のサッカー哲学をご紹介して終わりましょう。サッカーに、我々のチームに興味がない人に尋ねられたらこれを伝えてください。少なくとも私がこのチームを全力で応援し、支持し、楽しんでいるのはこれが伝わるからです。それで十分です。では。

ずっと言っている通りお客さんが楽しめるかどうか。お客さんが楽しむとはどういうことかと言えば、選手が楽しめるかどうか。選手が楽しめるかどうかというのがどういうことかと言えば、それぞれの特徴がグラウンドの中で出せるかどうかです。そういうところが大事であって、その先に価値があると思っています。もう、わかってることだったでしょ?

 

 

※このブログで使用している風間監督のコメントは、「試合前監督会見」から引用しております。ご興味が湧いた方は、公式サイトである「インサイドグランパス」、もしくはタグマが運営する「赤鯱新報」をぜひご購読ください

Jリーグコミュニティ論

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急に賢い感じのタイトルキタ!と思った方、残念でしたね。タイトルに追いつけ追い越せで私は頑張っています。

さてさて、皆さん今頃GWを堪能しつつ、ちょうど今日はサッカー観戦の後でしょうか。皆さんリア充リア充。そんなリア充の皆さんに今回はあえてこのテーマをぶつけたいどん。

「コミュニティ論」

少し前に、こういったブログを寄稿致しました。

keikun028.hatenadiary.jp

これを読んで頂ければ分かる通り、私いわゆるSNS文化には全く馴染みのない、わりと狭い世界で生きてきた人間です。もちろんそれはそれで決して悪いことではないでしょう。むしろそれで満足していたから手を伸ばしていなかっただけで、こー伝えたい欲っていうんでしょうか。それがぐわぁ!っと上がったから、今に至るわけです。

このブログでは触れていないんですが、SNSを始めると、当然ながら同じ趣味を持つもの同士が繋がっていきます。その結果、これまで私の世界には存在しなかったコミュニティが知らぬ間に形成されていきました。正直、こうなるとは全く想定していなかった。だって情報収集と情報発信のために始めたわけですから、リアルな交流はこれっぽっちも考えたことがなかったわけです。ですので、「好きをアウトプットするとどんな変化が起きるか」。これに関しては、かなりリアルな体験談だと思います。今回は、JリーグサポーターがSNSに手をつけ、コミュニティ的なものが出来上がっていくとどんなことが起こるか、実体験をもとに語っていきましょう。

謎の言葉「ぼくと握手」

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まずはこれですね。ネット上で親交が深まってまいりますと、突然口火を切るようにこの言葉が飛び出します。「ぼくと...握手だと?」。免疫がないと狼狽えます。「なぜ...握手...するんですか」。これつまり「ぜひお会いしましょう」というお誘いの言葉なんです。特に私が応援する名古屋に関していえば、サポーターの方々は積極的な方が多く、その意味でコミュニティ濃い気がします。ツイッター上も交流が盛んです。私はどうかといえば結構奥手な方でして、最初はとにかく躊躇してました。ぶっちゃけた話、この流れでリアル友人にツイッターアカウント白状しましたから(初告白)。だって現地でその交流を図るには、馴染みの友人には言わざるえないでしょう?急にみぎさん呼ばわりされてたら驚くっしょ。最初はそこの葛藤凄かったです。くどいようですが、全くこの流れを考えたことなかったので。「やべえ...知らない人と待ち合わせするの、独身時代に合コンの待ち合わせで金時計前(地元ネタ)集合したとき以来だぞ俺...」みたいな。結果的に意を決して突撃しましたけどね。意外と握手してみるとその体温にヤラれるっていうんでしょうか(ちがう)。好きで繋がるってこういうことなのか...そう実感しました。

話す内容に困らない

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個人的にこれが凄いと思います。結構ですね、後で相手の方のパーソナルなことを知ると驚くこと多いんです。皆さんご立派な方が多いし、当然年齢もバラバラですよね。私に関していえば毎回言ってますけど大したことないんです。冴えないサラリーマン。娘が二人おりまして、妻にブロックされています。娘には既に小馬鹿にされてますし末端な存在。でも好きで繋がるコミュニティって凄いですね。意外と相手のパーソナルな部分ってあまり興味がないというか(失礼)、ある種の礼儀作法の如く踏み込みすぎないっていうんですか。もーサッカーの話だけでめっちゃ盛り上がる素敵。自己紹介不要。ていうか、もう私なんかはこのブログが自己紹介みたいなもので「あーブロックされてるみぎさん(憐れみ)」みたいな。楽。好きの熱量すごい。共通の趣味強い。だってサッカーだけで3時間とか平気でもつから。昔、一目惚れしたカフェで働く女性とデートしたとき、喋らない相手との会話に困った俺、最後指ジャンケンやったもんね。

飲み会でチャントとか歌う

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とんでもないですよね。これちょっと私が知り合ったコミュニティが過激な部族なだけの可能性大ですけど、飲み会の帰り道にチャント歌いだしたんですよ。えやばいリアルフーリガンじゃんみたいなっ!!普段ゴール裏にいない俺もチャント奏でてるよオイ。なかなか友人と飲んでて「おい!チャント歌おーぜ!」ってならないでしょう。あと酒癖の悪い人がぶっ倒れますね。私のプライベートでそういう相手はいなかったんですが、こればかりは分かりませんからね。酒癖のチョイスありきで集まってないですから。仕方ありません。とにかくチャント帰れと(あー上手く締まった締まった)。

居酒屋ついた途端ダゾーン

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これは革命です。さすがに居酒屋ついた途端スカパーはつけられません。ダゾーンに感謝。例えば金曜日、週末の飲み会がお勧め。最近は「金J」なんて言ってますが、やはり我々はフットボールを愛していますから、どうしてもJが観たい。

「安心してください、パソコンならここにありますよ!」

よっ!すごい!コミュニティ内にITに強い方がおりますとですね、絶賛PCを持参しております。それを何の躊躇もなく、スムーズに机置く、オープンする、立ち上げる、ダゾーンつける、BGMの如くJ流すみたいな!(完成)すごくないですかこれ。100歩譲って飲みながらダゾーンなら分かります。ただこれを「皆で酒のツマミにする」。なんて大人な嗜み。これ他チームの試合がオススメですね。お酒の勢いそのままに、まー言いたい放題ぐいんぐいん言えます。

女性サポーターは選手に強い

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続いてはこれ。私、サッカー仲間は野郎ばかりでした。見渡す限り男、男、男。いやそれならそれで構わないのですが、人生において「Jリーグが好きな女性」に実生活で会ったことがなかったんです。その結末が嫁ブロックだと思えば納得でしょう。ハッハッハ、残酷だな世の中は。なかなかですね、SNSでもやらないとそこの輪は広がりません。今回SNSを通じて私も何人かの女性の方達とも仲良くなり、なんか場違い極まりないですが、飲み会にも参加させてもらいました。

いやあ、女性サポーター凄いわ。やっぱり男性より圧倒的にマメなんですよ。特に選手のプライベートな部分ですよね。例えばインスタの情報とか、雑誌であれを言ってたこれを言ってたとかね。ちょー詳しい。だからお店選びも、「あの選手がここに来た(写真つき)」なんです。なんかそう聞くだけでテンション上がるじゃないですか。「ぬああこの肉○○も食べたんかー!」って。凄いぞインスタ。そうやってお店巡りする楽しみもあるのかと。いわゆる聖地巡礼みたいなものですよね。居酒屋に聖地巡礼の概念あったとかマジ斬新。

稀に他サポの方と縁が生まれる

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よくツイッター論といいますか、インスタやフェイスブックとの比較論ありますよね。「ツイッター使ってるの日本人が大半。ツイッターなんて世界的に見りゃオワコンだろ」と。私に関してはそうは思わないんですよね。これも日本人特有かもしれませんが、これまでに挙げた通り、ツイッターで同じチームを愛する連中があれよあれよと繋がっていく先にコミュニティが生まれたりするし、試合後もそんなコミュニティ超越してわーやわーやと語り合えるじゃないですか。でね、もう一個凄いのが、ここに他サポの方や対戦相手のサポさんも絡める、読むことが出来る場であることで。ここまでフリーダムにJリーグ好きが繋がれる場もそうそうないのでは?と私なんかは思うわけです。我々には宗教の違いであったり、歴史上絶対にテメエらとは交わらねー!みたいな過去もないですから(もちろんこの数十年で生まれた歴史は尊重するし、この点は多くの価値観があると理解しています)。

そのおかげで私に起きた一例を挙げますと、まず長良川に来た山口サポさんを可哀想だから岐阜駅に送ってあげたとか(次の日は東京に行くと言って、何故結果豊田のホテル取ってたのかは謎)。ゆーきこばやしが好きだ好きだ言ってたら新潟サポさんと繋がって、彼の新潟時代を知れる本を頂いたり(嬉しすぎて、私はそこにゆーきこばやしのサインをゲットして逆プレゼントしました。意外といい男やろ!)。

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名古屋と契約解除したワシが山口に移籍が決まった際、嬉しすぎてブログ書いたら、先ほどと別のレノファサポさんがそれに感銘してくださってワシのレノファバッヂ頂いたり(しかもそれを共通の名古屋サポさんが仲介してくれる奇跡)。

migiright8.hatenablog.com

町田からはるばるやってきたゼルビア人からサイバーなクリアファイル頂いたり。これ普通に生きてるだけではなかなか起きなかった出来事で。深さと幅でいえば、私の場合、名古屋が深さですよね。で、幅が他サポの方々との横の繋がり。いろいろなコミュニティが生まれる、まあこれはJリーグの魅力です。凄い、好きで良かったぞJリーグ

知らなかった文化、異なる価値観との遭遇

実生活で作ってきた仲間やコミュニティ、案外自分にとって居心地の良い相手だけなのでは疑惑。つまり性格もそうですし、そこに価値観も近い相手がわりと残る気がします。でも今ここに書いているコミュニティ、なかなかそう上手くはいかないんです。好きで繋がる。もちろん最低限、相手の性格も感じられる中でチェックはする。ただ物事に対しての価値観までは、なかなか都合よく擦り合わせ出来ないわけです。同じ趣味、最低限必要なコミュニケーション力(性格面)は繋ぐ材料にはなっても、価値観の共有って、やっぱり会って話してみて分かることってすごく多い。でも、実はそれが魅力なのかもしれないって最近気づき始めた。

先ほども書いた通り、まず年齢もバラバラ。そして価値観もバラバラ。だからこそ学ぶことも多い。当然それぞれ経験してきたことも異なりますし、その場数も人それぞれですから、今まで触れることのなかった価値観に多く遭遇します。これホリエモンがよく言ってますね。「同じ世代の連中ばかりとつるむな」と。ただじゃあ同じ会社の連中ならいいかと言われると、そこも実は狭い世界で。その意味で、こういった「共通の趣味」は多くの学びや価値観を与えてくれます。

そしてこれはフットボールの世界にも当てはまります。「サッカー観」であったり「チームをどうサポートするか」ここの考え方ですよね。これ多種多様です。

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例えば私のスタジアム体験を振り返ってみると、学生時代はずっとゴール裏が居場所でした。なんだかよく分かっていないけれど、毎回仲間たちとゴール裏で適当に空いてる席や最後尾の手すりに掴まって応援していた記憶。なんとなくそこに陣取ってピッチに目を向けていただけなので、例えばそこの場所、つまりゴール裏の歴史であったり、そこで毎試合応援する人達のこと、全然知らなかった。そもそも考えたこともなかったですもの。気づけば年齢を重ねるにつれ私の居場所もすっかりメインとかバックに移りまして、特にゴール裏の文脈なんてものはもはや完全に未知の世界でした。

ただスタジアムには沢山の人間が存在します。応援やサポートの考え方ひとつとってもバラバラですし、それぞれクラブとどんな歴史を共に歩んできたか、スタジアムにどんな想い入れがあるかも違う。自分とは異なる道を歩んできた方と繋がると、応援にもこんな考え方があるのか、クラブやスタジアムにこんな歴史が存在したのかと驚くこともあります。

名古屋に関しては、明日からこんな企画もあります。

あえて私の文脈に沿って語っていきますが、例えばこういった日本のゴール裏文化も凄いなって改めて思うんですよね。本来はみんな価値観なんてバラバラなはずじゃないですか。本質は「好きの想い」これだけです。でもその想いが繋がって、まとまってるわけです。見方を変えたら、たぶんこれ海外のチームでは真似できないですよね。だって結果としてその空間がどこよりも楽しいって、前日からシート貼りまでするわけですよ。でも逆にいえば、そんな場を実現するには、沢山の苦悩や、想いがあるはず(あったはず)なんです。ゴール裏でチームを支えよう、選手とともに戦おう。価値観の異なる仲間たちを、いかに「好きの想い」で繋げていくか。その歴史や今のあり方に興味が持てたのも、異なる価値観、異なる歩みを知るきっかけがあったからこそ。異なる価値観に出会うこと、それは自身の価値観を広げ、また多様な価値観を受け入れる度量を形成することに繋がるのだと、多くの繋がりを持てたことで今更ながら知ることが出来ました。

さて、そろそろ締めます

長々と書いて参りましたが、実はこれ、もう皆さん実践されてきてることですよね。だってスタジアムに行くと、なんだか性別問わず、えらく大人数でわんさか楽しそうにしてる方達、沢山いるじゃないですか。くそ、リア充めっ!どんな人生歩めばサポ同士で結婚すんだよ!失礼。今だとオンラインサロンだってあるし、名古屋の場合だと関東グラサポ会とかね。皆さんそれぞれのコミュニティってあるはずです。でね、そういう関係、物凄く大切だと思います。それが日々を彩ります。あなたの老後を彩ります。きっとずっと続く関係性です。「そんなの改まって言われなくても分かっとるわい」なんて言わないで。それならそれで良いのです。また、なかなかそんな環境に踏みだせない貴方。大丈夫。これ読んで勇気だしてください。指ジャンケンも不要です。

いつかお会いする機会がありましたら、汗だくの手で握手しましょう(断ったらごめんなさい)。

【宮原和也をエウソンに】第五回vs広島

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ゴールまであと一歩。

この「あと一歩」が、彼のサイドバック人生を更に花開かせるのでは、そう感じ始めております。いや、タイトルには大袈裟に「エウソンに」なんて書いていますが、別に彼の二番煎じになる必要はなく。あえてそう表現したのは、このチームが立ち上がった際、サポーターがイメージする「風間八宏の理想とする右サイドバック像」が、やはり攻撃的であったこと。そこから連想する選手がどうしてもエウソン(今更ですがエウシーニョのことね)になってしまうことが挙げられます。思い返せば、実際にそういった声、多かったですよね。「宮原をエウソンのように!」と。いや、ルックスなら負けてねーよ?プレーです、プレー。わたしはですね、なんだか段々とそれに近い存在に変貌してきていると感じております。ということで、今回はまずこの話題から。

たぶん、いま「第四形態」

【第一形態~第二形態】イケメンがトメルケール

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振り返ると、風間体制一年目の2017シーズン。ここまで遡ります。このエピソードも何回語ったかって感じですね。徳島戦です。そうですね、詳細は「和也三部作〜エピソードI〜」を時間があるときにでも是非読んでくださると嬉しい。

migiright8.hatenablog.com

何度も書くのも気が引けますが、読む時間がない方もいるでしょう。ざっといきます。

この試合の宮原、まさかまさかの前半での交代劇。試合後、風間監督からはキツイ指摘が入りました。

和也に常に伝えているのですが、彼は技術もスピードもありますがトライしない部分があります。後ろへ逃げてしまうことで、相手に勢いを出させてしまうことがある

普通それなりに堪えます。ただあのジャニーズばりのルックスで、実は彼、「超」ハングリーだった。とにかく止めて蹴りました。結果「ボールを晒す」技術を会得。ちょっとやそっとでは動じない、見事なボールプレーヤーに生まれ変わりました。もともと何で培われたのかは知りませんが、相手との駆け引きも小憎たらしいほどのレベルでして(詮索はしません)、そんな能力も一役買った感があります。控えめに言って、好きです。これが「第二形態」(ちなみに第1形態は、加入当初の「守備が得意なイケメン」、です)。

【第三形態】求ム積極性

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もはや風間監督にとっては欠かせない右サイドバックに成長した宮原ですが、サポーターとは欲深い生き物でして、次から次へと要望は増すものです。次はこれ、「ビルドアップは満点。でも攻撃力が物足りないっ!」。贅沢すぎる。イケメンでボール持てて守備は抜群なのに、そこに積極性まで求める。好きなら自分から告白しろよ!って私なんかは思いますけどね、これが時代でしょうか。次は積極性と(呆れ)。

はい、「和也三部作〜エピソードII〜」どん。 

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翌2018シーズン、夏場まで断トツのビリケツだった名古屋に、しかも宮原とは逆サイドですが「同じポジション」に一人の救世主出現。それが横浜Fマリノスから加入した金井貢史。「何故そこに金井!?」とはもはや彼の代名詞ですが、まー彼がサイドバックなのにバカスカ点を獲る。時々は守れなんて思ったりしますが、これがまた我々的にもエキサイティングな選手でして、一躍人気選手に。そしてこれに火がついたのが宮原。おそらくこの「積極性」であったり「攻撃力」は彼自身も課題としていたんでしょう。金井から刺激を受け、トヨスポ(練習場)でも二人で自主練する機会が大幅に増加。主にスプリント。新任の柳下コーチが運動神経の鬼みたいな人で、彼の指導により走力であったりアジリティも上がったように感じます。この頃から、相手ペナルティエリア付近までボールを持ち上がったり、終盤になると彼の縦への突破が効き始めるようになりました。和也、遂にここまできた。控えめに言って、好き。これが「第三形態」。

【第四形態】ここまできたらやっちゃえ、和也

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そして今年。「和也三部作〜エピソードIII〜」はこのブログ。

「アレ!?和也、途中交代増えてね?」そうなんです。この二年間、名古屋における絶対的レギュラーを守り続けた唯一無二の男といえば宮原和也。そんな安定感抜群の男が、今年は試合途中でベンチに下げられることが増えました。理由はなんでしょう。基本的には相手にリードされ、追っている時間帯に見られるケースなので、案の定「攻撃力」なのか。はたまた昨季終盤に負った重度の肉離れの影響で、あえて無理をさせていないのか。真実は八宏の中。ただ私としては、追っている展開で不慣れな和泉を右サイドにもってくるくらいですから、やはりまだまだ攻撃力に風間監督が満足していないのではないか。そう考えます。

ただ宮原和也、ここで終わる男ではなかった。明らかな変化が見られたのは札幌戦。まず二点目のオウンゴール

和也...おまストライカーか...。つづいて三点目のジャスール。

万歳してたのにゴール前に和也。更に四点目のシャビエル。

ハッハッハ、イケメンを囮に使うたーやってくれたなシャビエル。

見た!?誰よりもゴール前につめてるの和也じゃん!ボールくれやっ!そう、遂にペナの中まで和也進撃。点が獲りたくて仕方ないのですね。というのは冗談で、どうやら風間監督に相当言われているらしい。誰よりもゴール前に詰めててそれはそれでちょっとウケますが、とうとう彼はここまで来ました。好きだ。ということで、彼は今「第四形態」です。

まとめます。これが和也の歴史です。

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我々の合言葉、これも重要ですね。むしろ強く主張したい。

シャビエルから、パスがこない(悲報)。

これはですね、先日発売されたサッカーダイジェストに掲載された、相馬くんのインタビューがとても参考になります。以下、簡単に引用致します。

その後の試合でもアシスト出来たことで、ブラジル人選手達もシンプルにパスをくれるようになったんです。(中略)僕を頼ってくれるというか、シンプルに「さあ勝負してみろ」というボールをもらえるようになりました

とは言っても、宮原のインタビューを読む限り、彼の意識としては「点が獲りたいからパスくれ!」なんて俺様的発想ではなく、「僕はあくまでもシャビエルがプレーし易いように走ってるだけなんで」なんてギャップ萌え的発想なので、これでいいのかもしれませんが。ただ、今の宮原に必要なのは、「目に見える結果」だけですよね。もはやこれだけだと言ってもいい。表立っては目立ちませんが、例えば本職である守備だと先日の横浜戦。正直、うちの両サイド宮原と吉田じゃなきゃ終わってましたよ。あれだけ走れてあれだけ1on1に勝てるサイドバックがいるから我々のあのサッカーは成立する。今年、金井がサイドバックとしてなかなか使ってもらえないのも、一見「また風魔改造か」と揶揄われそうな相馬サイドバック化も、理論上は理解できるわけです。物凄い運動量と、物凄いスプリント力と、物凄い1対1の勝率がある選手じゃないと無理(語彙力)。そこに得点まで求めるのは...もうサイドバックじゃねーじゃん。ハッ!だから我々のシステム「11」なのかっ!(困惑)。点を獲ってこそ、我々が夢にまでみた宮原和也の理想像に近づくのでしょうか。

容姿端麗(走れる)、頭脳明晰(守備上手い)、性格良好(ビルドアップ抜群)。普通ここにカラオケまで上手い(点も獲れる)ってきたらもう嫌いになるレベルよ。和也ー、おれはこれ以上なにも求めないから抱いてくれー。

そして次の相手が、彼の古巣「サンフレッチェ広島」。

全てを知り尽くした仲間たちとの再会

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昨年の対戦数「5試合」。寿人が何回やるんだとウンザリしていたのは記憶に新しいところですが、当時レンタル扱いで名古屋に加入していた宮原は契約の都合上、出場することは叶いませんでした。おそらく、この試合に出場したいと誰よりも願っていたのは他でもない宮原自身ではないでしょうか。

広島は、特に今年大きくチームが変貌しています。ボランチには彼の同期でもある川辺駿。シャドーには一つ上の代である野津田岳人。3バックの中央には彼と同世代である吉野恭平。そしておそらく彼が広島時代に期待されていた森崎和幸のポジション。ここには彼より後輩にあたる松本泰志を抜擢。怪我人の影響はあれど、まさに「世代交代」の真っ只中、これが今の広島です。

もしかすると、宮原和也の世代がずっと夢見てきた姿が今の広島なのかもしれませんね。彼らの世代が台頭した時、広島はまさに黄金期を謳歌していた。「いつか自分たちがこのチームの主力に」そんな思いを抱いて彼らがプレーしていたことは想像に難くありません。それくらい、当時の彼らにとって例えば佐藤寿人森崎和幸千葉和彦などは高い壁だったことでしょう。そして彼らは外で修行することを選んだ。川辺はジュビロ磐田で、野津田は主にベガルタ仙台で、吉野は京都サンガで。そして宮原は降格した名古屋を選んだ。

それぞれが結果を残し、既定路線ともいえるレンタルバックで今まさに広島の主力を担うまでになったわけで、その意味で広島の戦略は十分成功であると評価出来るし、賛否両論こそあれど、今のメンバーで結果を残している城福浩も賞賛されるべきでしょう。そして、そんな出来すぎた物語の中で唯一、宮原和也だけが違う道を歩む選択をした。彼だけが、広島の地に別れを告げたわけです。

望まれた道を選んだ者、異なる道を選んだ者

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現在の広島は、堅い守備をベースとしたチームです。昨年の4-4-2から慣れ親しんだ3-4-2-1に形を戻し、若手を主体としたチーム構成で昨年のマンネリを打破。今のところ2位という成績に繋がっています。「まずは守備をベースに」この方向に舵を切ったときの城福浩のチームはやはり手堅く、国内のどのチームも苦戦しているというのが今のJリーグの実態。これは広島に限った話ではなく、例えばFC東京が好成績を残しているのも多分に同じ理由でしょう。どこも崩せない。

おそらく、宮原は名古屋に来なければ現在のようなプレースタイルになることもなかったし、その意味で、彼だけが広島の仲間たちとは全く異なる道を選んだのだと、彼らの試合を観ていると感じます。少なくとも、先に挙げたような進化を広島で求められることはなかったでしょう。

彼がもし今も広島に残っていたら、果たしてあのチームでどこのポジション・役割を務めていたんでしょう。ウイングバック?ストッパー?いや、ボランチでしょうか。また、彼とともに未来を夢見た仲間たちは、どんな気持ちで彼と対峙するんでしょう。彼らが広島の未来だと信じて疑わなかった広島サポーターの方々は、名古屋の宮原と初めて対峙し、どんな想いを抱くのでしょう。そして広島を愛し、広島で育った宮原和也は、初めて対峙するサンフレッチェ広島というチームに、どんな姿を見せてくれるのでしょう。

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一つだけ言えるのは、我々は広島には絶対に負けてはいけない。確かにチーム全員がハードワークする、まさに城福浩の色に染められた好チーム。ただ彼らのようなチームを打ち崩せないようであれば、目標とするACLは遠のきます。FC東京、鹿島、そして磐田。この手のチームとの試合はもう何試合も重ねてきました。あの守備ブロックを打ち崩してこそ、我々は胸をはって言える。「攻撃サッカーである」と。

また、名古屋を選んだ宮原和也の道が間違ったものではなかったのだと証明するには、このスタイルで、二年強で築いてきたこのサッカーで、我々は広島に勝たないといけない。彼しか持ち得ない守備センス、絶対に怯むことのないボールコントロール、圧倒的なスプリント力、そしてゴール前に飛び込んでいける勇気。

我々の右サイドバックを見せつけてやりましょう。

気まずい相手との同窓会

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これを開いたそこの貴方。残念。今回はいつものプレビューではございません。あれはですね、クオリティを皆様がどう評価してくださっているかは分かりませんが、少なくとも自分自身が納得出来るものを、という観点からいえば、今のところ毎試合キツい。まあ主に時間です。イクメンで素敵パパな私にとって、あれだけ労力のかかるプレビューを毎試合やるには、もはやこれを生業とするしか道はございません。
 
実は今回のブログ、「note」を試してみよう!とのことで書いておりました。せっかくなので切り口を変えて、今週末のジュビロ磐田戦について一つ語ってみようと。
 
が、しかし。noteってゲッティ(画像サイト)に対応していないのですね。これまでのブログ含め、いわゆる戦術ブログであれば文字と図解だけあれば構わないのですが、私は必要以上に「読み物である」ことを意識しておりまして、その意味で文字と写真の組合せはとても拘っているのです。現状、著作権に触れない画像サービスといえばゲッティくらいですから、これはやはりはてブかっ!ってことで、やはりこちらにコピペしてスタートです。
 
話を本題に戻します。ジュビロ磐田に関していえば、私自身は例えば名波監督に対してなら「毎回ネタを提供してくれてありがとう」くらいにしか思っていないし、つまり特別な思い入れと言われると、それはやはり田口泰士にしかございません。とはいえ一年が経ち、 バチバチに意識しているかといえば、それも少し違う。ただ「次はジュビロだ」と言われれば、「あぁ次は泰士か... 」なんて思い出し。

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彼をスタジアムにどう迎えるか。そこに答えはないんですよね。人の感情に明確な答えなどない。拍手で迎えたい人、対してブーイングで手荒い歓迎をしたい人、いやはや、歓迎なんて気持ちはない。特別な感情もない。だからスルー(無視)だ。そんな方も勿論いらっしゃるでしょう。そのどれもが正解なのだと思います。そこで同じ感情を強要するのもおかしいし、その感情はおかしいと指摘する行為も同様におかしい。なんだか付き合っていて別れた彼女と、会いたくないのに同窓会で会わざるをえないみたいな、そんな関係性。
 
急に私ごとで恐縮ですが、私もいわゆる同窓会的な場で会う相手とお付き合いしていたことがありましてね。別れ際に、いや、別れてからですか。ちょっとしたキッカケで会話を交わすことがあって、まあラインですけれども。少し気に触ることがあって、思いっきり捨て台詞吐いてやりました。「もう少し相手の気持ちが分かるといいね」って。いやー、クソですね。若気の至りとしか言えません。今更ながら最低だこれは。当然ながら、もう会いづらいです。自業自得です。
 
どんな顔で会えばいいのか、どんな関係性で会いたいのか。選手とサポーターの関係も、意外と切ない。だって選手たち同士はそこまでのわだかまりってないわけじゃないですか。なのにサポーターは、勝手に「どう会おうか」って考えるわけです。そんな相手、滅多にいないですけどね。選手とサポーターの関係、素敵だ。それって、特別な関係だったからこそ芽生える気持ちだから。
 
私自身はどうでしょうか。うーん、大好きでしたね。ジュビロへの移籍が決まった時、赤鯱(有料サイト)に掲載された彼のコラムが大きな話題を呼びました。ライターである今井さんの主観が存分に加味された内容でしたので、あれをそのまま受け取っていいものかは分かりませんでしたが。案の定、その意味でもあの記事は賛否両論だった。そして凄まじい反響だった。客観的に間違いないと断定出来る箇所は、
 
  • 泰士はグランパスを愛していた(と信じたい)
  • 特にサポーターのことは、大切に想っていた
  • 風間監督のサッカーは楽しかった
  • 小林裕紀とのコンビも楽しかった(ここがアツい)
  • 今はこの「クラブ」の為には頑張ろうと思えなかった
これくらいです。だから私としてはこの記事だけで彼のことや、逆にクラブのことを「一方的に」批判することは出来ないだろうなと思っています。サポーター、ツライですね。だって我がチームの選手には無償の愛を注ぐわけじゃないですか。なのに別れる際に直接関与出来ない。「おいおい俺たち置いてきぼりかよ」と。彼のケースは、まさにそれだった。最後は我々の愛だけでは手が届かない場所で、別れが決まってしまった。それがなにより残念でした。
 
これまでも散々語らせて頂いておりますが、特に降格して昇格するまでの一年間ですよね。この一年間は、本当に「田口泰士と歩んだ一年、彼とともに昇格を掴み取った一年」であったような気がします。その意味でいえば、「サポーターのために戦った一年だった」と総括した彼の想いは、少なくとも私には届いていたのだろうし、おそらく多くのサポーターも同じ気持ちだったことでしょう。

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最後の最後まで契約更新を渋られ、「移籍が決定的」とまで報道されたにも関わらず、彼の残留が決まった時の喜びは今でも忘れないし、昇格が決まった際にピッチ上で倒れこみながら涙した彼の姿も忘れることはありません。もちろんその後、彼の移籍が決まったときの悲しみも、忘れることはないでしょう。サポーターからすれば、彼とともに勝ち取った昇格だったからこそ、その彼とともにJ1で戦えないという事実は、やはり素直には受け止められなかった。なんだか肩透かしを食らったようで、「マジかよ、何のために一緒に苦しい時期を耐えたんだよ」って。また、クラブに視点を移すと、昨年一年間で最も苦労し、結果として成果に現れなかったのは「彼の後釜」であったことは否定できない事実。風間監督にとっても一番の痛手だったのは彼の移籍だったことでしょう。それは裏を返せば、このチームで最も目の速い選手は彼だった、ということでもあります。
 
兎にも角にも、彼はこのチームの看板選手でした。それを彼がどう受け止めていたかはともかく、私たちサポーターにとってはとりわけ特別な存在だった。特別だったからこそ、すっきりとした別れは叶わなかった。
 
さて、我々のホームでいえば、二回目の同窓会です。今回はどんな顔をして会いましょうか。前回はあっという間の再会(第二節)で感情を整理する時間すらなかった。ただ今回はたっぷりありました。貴方は笑って再開しますか?それとも別れた憎しみを彼にぶつけますか?はたまたもうお前には興味もないし、そもそもこんなブログもクソ喰らえでしょうか?(優しくして)いやいや純粋に一人の相手選手として、とことん嫌がらせをしましょうか?

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そこに答えはありません。それぞれが、それぞれの想いに立って、彼を迎えればそれでよいのだと思います。結局何が言いたかったんだ!なんて言わないでください。改めて、こんなことを考えてみてもいいのかな、そう思ったまでです。彼は名古屋の歴史を作った一人です。今、私たちが笑顔でJ1を戦えているのは、あのとき我々を見捨てず、きっちりチームをあるべき場所に戻して去っていった彼のおかげでもある。
 
クラブの生え抜きで、キャプテンまで務め上げた男が、名古屋のゴール裏に挨拶にすら来れない。うん、まあ気持ち悪い感じはあります。初めて彼を迎え入れた際の私たちの振る舞いに問題があったのか、彼自身に問題があるのか。それは分かりませんが。ただ、私自身の想いとしては、試合が終わればお互い笑顔で讃えあえるような、そんな間柄であれば素敵なのではないだろうか。こう思う気持ちもまた正直なところです。ただね、笑顔で讃えあうには、我々が圧倒的に強くなければなりません。勝つから楽しいんですよ、そこはね。
 
では週末は?そうですね、「こいつらには敵わない」と思わせるくらい完膚なきまでに倒して、彼との戦いは三戦全勝。試合中は徹底的にブーイング、終われば勝者のメンタルで暖かく拍手でしょうか。それが一番スマートじゃないですか?戻ってきて欲しい、ではないんです。「戻ってきたい」そう思わせるだけの強さと、余裕を見せないと。ブーイングにしても、憎しみありきのものではなく、それすら楽しめる余裕を持っていたい。私たちにしか分かり合えないやり取りで育まれる関係性、いいじゃないかって。それもこれも、我々が勝つから、我々の方が強いから面白いんです。戻ってきたくとも、もう居場所なんかねーぞって。それくらい圧倒的巧者でありたい。かー、あのとき別れた彼女にもそう思わせるだけの器が私にもあれば....。あ、もちろん戦いの最中は敵ですから。最初から歓迎ムードなんて、私は御免です。
 
こんなことも、最近は全部楽しみたいって思います。だってそれが我々の新たなスタイルでしょ?感傷に浸る時間なんて、楽しいものに変えてしまえ。怒りや憎しみなんて、笑い飛ばしてしまえ。
 
まあでも、田口泰士のチャントを世界一カッコよく歌い上げるゴール裏は名古屋以外いないよ。それは間違いない。今でも「あのチャントが大好きだった」って声、聞きますから。
 
さて、大切だった選手との再会が待っています。 

【レイアウト命】第四回 vsマリノス

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川崎のベースとなっているのは、ボールを回す際の流動性の高さだろう。勿論優れたスタイルで、日本ではとても上手く機能しているが、他の国では少し厳しいように思える。ピッチの横幅を上手く活用できる選手がいないし、ウイングプレーヤーもいないからだ

さて、2017シーズン限りで横浜Fマリノスの監督を退任したエリクモンバエルツは、当時の川崎のスタイル、つまり色濃く残る風間八宏のスタイルに対してこう苦言を呈したことは記憶に新しいところです。

何故今更ながらこのコメントをぶり返すのか。喧嘩を売りたいわけではございません。次節の対戦相手である横浜と我々名古屋は、似て非なる、目的は同じでも「手段(プロセス)」の異なる、非常に興味深いカードです。

横浜といえば、既に彼らの代名詞でもある「ポジショナルプレー」という言葉を、皆さんも一度くらい聞いたことがあるかもしれません。難しいですよね。私も色々考えたんですけどね、これは難しいよ(諦め)。この言葉をどう解釈するか、何をもって正しいとするかは難しい。ここで教科書っぽく説明をしても仕方ないので、「名古屋との違い」を私の解釈ですが書いていきましょう。

結局、目的は同じ「相手を動かしたい」

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実は結論は同じだと考えます。トメルケールそしてハズースも、ポジショナルプレーも、やりたいことは「ボールをこねくりまわしたい」のではなく、「相手を主体的に動かしたい」。風間監督の言葉を拝借すれば、「相手を操りたい」と表現しても良いでしょう。ここで一つポイントとして、相手を操るためには、当然のことながら受け身ではいけません。また闇雲にボールを蹴っていても仕方ないと。なのでまず大前提として、「ボール」を支配したい。ここは我々も同じ。ではもう一つ、邪魔をする「敵」を支配するために、彼らはどんな手段を取るのか。どうやって相手を動かすのか。この解釈が名古屋との決定的な違いです。

日本一ほんわかしたポジショナルプレー談義

ここからは、日本一詳細ではないけれど、日本一優しいポジショナルプレートークをしていきます。話を戻しますと、横浜の選手達は「選手が立つ位置」をもって、相手を操作しようとします。どういうことか。順序立てて深掘りします。

【その①】スーパーマーケット理論

上手い例えではありませんが、スーパーマーケットって良く出来ていますよね(唐突)。あれはお店側からすれば「入口(スタート)」から「出口(ゴール)」までに、いかに来店客に多くの商品を買ってもらえるかが勝負です。つまり目的は客単価を上げること(客数の話は本筋と逸れるので割愛)。そのために、入口から計画立てて商品を陳列します。このエリアには野菜を置こう、ここには果物を並べて、イチゴの近くには練乳だこの野郎と。目的(客単価を上げる)を果たすために、その相手を研究し、行動パターンを考慮して戦略的に什器を配置し、商品を陳列する。客単価を上げるために「買い物客を誘惑し、誘導する」わけです。

対してフットボールはどうでしょうか。目的は単純です。「相手より一点でも多くゴールを決めること」。つまり「いかにして相手ゴールまでボールを運ぶか」が目的を果たすためには必要になる。そして当然ながらその足枷となるのは「邪魔をする相手」です。

先ほど唐突にスーパーマーケットの話をしたのは、私が妻に連れ回されてうんざりしているわけではなく、「相手を惹きつける(引きつける)効果」と「全体の配置(レイアウト)をもって相手をコントロール(誘導)する」点が、見方によっては似ているなと感じたからです。

横浜の選手達がやっていることって、スーパーマーケットでいう商品棚のようなものです(ちがう)。しかも「動く商品棚」(ちがう)。残念ながらサッカーの試合はボールも相手も常に動いていて止められませんから、その前提で邪魔をする相手を避けなければなりません。

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横浜の選手達は、「その瞬間」「その状況」ごとで、ピッチ上のレイアウトを各選手が「立ち位置」となって変えてきます。邪魔をしようとする相手選手に「あれ?おれこの選手について行くべき?あれ?こっち?」なんて誘惑することで、相手を「意図して」動かしていく。それって能動的ですよね。決して受動的ではない。これが上手くいくと、いわゆる芋づる式なんです。最初の一人が喰いつけば、「シメシメあそこで守っていた邪魔な野郎がいなくなった。じゃあ元々あいつがいた陣地、俺が貰ったも同然ウシシシシ(悪だくみするときの我が娘風)」と。そうやって相手を一枚コントロール出来ると、当然次に悪だくみした選手を相手は掴まえようとしますから、自ずと次の場所も空いてくる。そうやって「じゃあ俺も!」「じゃあ俺も!」と次から次へと釣られたスペースを横浜に使われ、結果として相手は「どうぞどうぞ」とそのスペースを譲ることになる。相手からすれば、意図せずして生まれたダチョウ倶楽部不可逆の流れ。

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対する名古屋のトメルケールそしてハズース。正直レイアウトには拘ってないんですよね。むしろ「置いてある商品それ自体を磨けば配置なんぞ関係ないから」の精神。配置ではなく、「商品そのもの」に徹底的に拘ってるのが風間八宏。「出したら寄れ」ですものね。それこそスーパーマーケット的には、美味いものガンガンお客の前に固めて並べて全部買わせるみたいな。それでどれだけ動線が狭くなろうが通れればいいじゃんと。普通大きな敷地(ピッチ)があれば、当然什器は広く取るじゃないですか。動線は広い方が歩き易い。わざわざ針の穴を通す必要なんてないんです。ただ風間監督は敷地の広さに拘っていません。だからこそ「異端扱い」されます。当然です、お店には所狭しと什器を配置するのが当たり前で、お店の一部しか使わないって考えたら異端児も異端児でしょう(この例えを上手くまとめた感)。

【その②】立ち位置で得られるものはスペースである

この話の流れで分かることは、彼らにとって「敵」を支配することはあくまで手段であり、真の目的は「スペース」を支配すること。つまり自分達が使いたいスペースを、「立ち位置」によって相手を動かすことで得ていると。面白いのは、この発想は決してボールに直接的に関与していなくても問題ないことです。以前に書いたカフェ理論と同じ。目の前に美人なお姉さんが座ったら、貴方は一切関係なくともその場から動かないでしょう。少なくとも私は絶対に動きません(きっぱり)。これをサッカー好きの間では「ピン留め」なんて洒落乙に言ったりしますが、個人的には「釘づけ」でも良いと思う(だって素敵やん?)。こういった「人が人を惹きつける(引きつける)動き」は、例えばボールのある局面と反対サイドでも可能なわけです。そうやってピッチ上いっぱいに罠を張り巡らせて、意図的に自分達が使えるスペースを生み出していくと。こういうカラクリが、ピッチ上のあらゆる場所で起きています。

【その③】スペースを支配するためには風間理論も必要

ではスペースを作り出した際に次に必要な要素は。それはそのスペースを「認知」すること、そのスペースに正確なパスを送り込むこと、またはそのパスを無駄なく次の場所に展開していく技術です。これ、まさに風間監督と理論上は同じ。彼の場合、そのトータルでのスピードを「目の速さ」と表現しますが、実はその点求められることは同じです。例えばテレビゲームだとこの部分は簡単。指先一つで思い通りにボールは届く。ただ実際にやるのは人間ですから、ここが面白い。ある程度「立ち位置」は仕込めても、この「目の速さ」だけは簡単に仕込めない。だから風間監督の場合は後者にとことん拘って指導しているわけです(前者は何処へ)。

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ちなみに認知という点でいえば、天野はスペースを見つけて「そろり...そぉおろり」と嫌らしいタイミング、嫌らしい場所に侵入してきますから要注意。目を逸らしてると消えますよ。天野だと思ったら広瀬だったみたいな展開はマズイ。

【その④】目的がゴールなら、優先順位は「遠>近」

名古屋でもよくある話を一つしておきます。「遠くが見えない」というケース。つまりある程度近くなら認知できるものの、ゴールに早く到達出来る「遠くの」スペースが認知出来ない。もしくは認知出来たとしても、そこに正確にボールを届ける技量がないというケースもあります。まさに先ほどの風間理論に通ずる話です。そりゃ高い山を登る際に、近道出来るならそれを選びたいじゃないですか。ただ楽するためには、相応の技量が必要なわけです。

ただ横浜にはズルい奴が一人います。

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最近では代表にも選出された畠中。右利きですが、左のセンターバックを主に担当しています。彼、右利きのこのポジションでは、ボール出しは国内トップクラス。あれはあえて左に置いてるフシもありますね。右のチアゴから来たボールをずばっ!と縦に入れます。待ち構える姿勢がいい。常に縦に送り込めるボディアングルで、パスの精度、スピードも申し分ない。振りが速いのと、よく遠くが見えているので、わりとダイレクトでずばっ!と入れてくるケースも多い。それ出来ちゃうと相手は困ります。当たり前ですよね、一気にピンチですから。

【その⑤】ヨメカイヒプレー

ここまでずっと攻撃の話です。「なんだやっぱそれなりに風間じゃん」そう思った人もいるのでは?いや、実は「守備」も含めてのポジショナルプレーです。どういうことか。

私は親近感を覚えるんです。これは普段わたしが駆使する「ヨメカイヒプレー」と同じ構造なのではないか。例えば今年の初め、私は覚悟を決めてシーズンチケットを買いたいと嫁に伝えた。ただこんな大勝負に普通無策で突っ込みますか?いろんな言い訳、応用を準備します。

  1. 「高い!」→「今年はダイナミックプライシング!」
  2. 「全部行けんやろ!」→「リセール誕生した奇跡!」
  3. 「それでも毎試合買え!」→「去年からチケット争奪戦ハンパねーから!」

どうよこれ、言い訳だけはペラペラ出てきますわ。

つまりですね、攻撃しながらも、応酬にあっても己をガード出来るように予防線を張っておくわけです。サッカーでいえば、いつ何時非常事態が起きても困らないように、攻めながらも各々がすぐに身を守れるようなポジション(立ち位置)を意識しておく。

代表的な例として、よく「偽サイドバック」って言いますよね。当然です。言い訳を考えてる時点でそんなものは偽物の私。本物の私は「ハッハッハ、早くシーチケにGoだせや」って思ってます。一世一代の勝負をするということは、すなわちいつもの数倍以上で反撃を喰らう可能性がある。ただサッカーにはそんな我々の願いを叶える奇跡のレーンが存在します。「ここに立てば攻め落とす為に効果的で、しかも死に直結する嫁カウンターをダイレクトで受けるリスクも軽減出来る」そんな表裏一体な場所が!!それを知ったらそりゃそこに立ちますよ。私だって攻めつつ守りたい。そんな奇跡のレーンを世間が「ハーフスペース」と呼ぶのなら、私は潔く偽物にだってなりましょう。ペップ、見つけてくれてありがとう。

これ風間監督の場合は発想が面白くて、「攻めきれば相手の反撃なぞ所詮捨て台詞程度だろう」なんです。攻め落とせば、そこからの反撃なぞ大したことない。その心を真面目に解説すると、つまりある程度攻めきることで結果として相手のバランスは崩れるはずで、そこから反撃されたところで効果的な攻撃など生まれるはずがない、すぐに回収出来るという算段です。「攻め落とす前提」なんですよ恐ろしい。まさに超ロマン派。その点、横浜は手堅く現実的。

【まとめ】組み合わさるとこうなります

....あれ....これはカオス....。

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譲る前に潰すか、そもそも譲る状況を作らない

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先程の話ですが、当然誰しもがダチョウ倶楽部的な予定調和は勘弁願いたい。ここで生まれた対策が二つ。一つは「ズレが生じる前に潰す」プラン。つまり最初のボールの出所である横浜のセンターバックやアンカー(喜田)に思考を削ぐほどの圧倒的なスピードと圧力でプレスをかける。ここで好きにやらせるとボールが前に進むほどに状況は深刻化しますから(この考え方がポイント)、なら最初の芽が出そうな段階で狩り取ってしまえと。これを実装したのが第三節の川崎フロンターレ。流石ですね、もはや彼らは「狩り取るチーム」です。第四節の相手、大分に至ってはまさに「vs横浜Ver.」で対抗。この横浜の肥後ちゃん大作戦(ちがう)に、「好き勝手レイアウト変えようが、結局はセンターバック二枚と中盤の三枚にしっかり人当てとけばオタク困るやろ」と。案の定、実際に困ってしまったわけです。横浜は0対2の敗戦。

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またもう一つの策が「そもそも引いて構えてれば(無理に奪いに行かなければ)ズレることもない。我々のブロックに侵入して来たら潰すのみ」プラン。長いですね、「引いて構えて潰す」プランです。これが第五節の鳥栖。終盤、横浜は惜しいチャンスを作りましたが、トータルで見れば鳥栖のプランがそれなりにハマった試合でした。特にゴールに直結するエリアである「中央」。この中央を締めるために、最前線の豊田陽平が死ぬほど走ってました。横浜のサッカーってそれはもう緻密に設計されていますから、ある意味でカオスとは対極なんです。つまり非常にロジカルにサッカーが展開されると。そこで行き詰まると割と八方塞がりになる。だからこそそれを自ら破壊する「バグ」を起こせる存在(例えばメッシとか...ハッ!!久保くんさん)がいると面白いわけですが、そこは彼らにとっての課題なんでしょう。ちなみに我々に鳥栖の戦い方は真似出来ません。

当然、名古屋は「譲る前に潰します」

では名古屋はどういった戦い方を選択するでしょうか。答えは一つしかございません。

「譲る前に潰す」。つまり、「前から潰す」。

端的に言えば、札幌戦の再現を目指すと。横浜の陣地でサッカーをする、ボールを奪いきる。それを90分間どこまで徹底出来るか。おそらくそれが実現できないと、我々も浦和のように無残に砕け散るでしょう。あれはvs横浜という観点でいえば、最悪の試合展開でした。中途半端に詰める、外されるの連続で前からはハメれない、かといって引いて構えるでもない。また最終ラインを押し上げてコンパクトな陣形を保てているかと言えば、それもヒヨって上げきれない。よって「前から奪いたいのに基準点が見出せない前線」と、「ハマらない前線の煽りを受けて加勢できない最終ライン」の間にどうしようもないスペースが生まれました。ちなみに今は前から潰してくる対戦相手を考慮して、ゴールキーパーも飯倉から元FC琉球のパギさんに変更。足元の巧みさでは、彼と大分の高木が国内では双璧でしょうか。もう一人のビルドアップの仲間として、また前が空けば彼は躊躇なく打ち込んできます。正確無比なボールを。厄介です。

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実は今年の開幕戦を観ていく中で、「このチームには勝てるイメージが湧かねえな...ハハハ」と個人的にお手上げだったのが横浜です。これまで書いた通り、上手くハマってくれないともはや無抵抗状態になってしまう、つまり相手を無効化してしまうようなサッカーであることが一つ。そしてここが大きなポイントですが、ビルドアップの入口ないしは出口となる中盤三枚が固まったこと。特に三好の加入ですね。天野も含めて、インサイドハーフに優秀な才能が揃った点が何より大きいだろうと。実際に、浦和は彼らインサイドハーフに広大なスペースを明け渡したことが何よりの敗因だった。名古屋との試合に関しても、見るべきポイントは、

  • 相手のビルドアップの発信基地を阻害出来ているか
  • インサイドハーフに時間とスペースを与えていないか

この二点だけ注目していれば、ある程度名古屋のその日のバロメーターというか、チームが上手く機能しているか理解出来るはずです。

「繋ぐ」横浜「奪う」名古屋の噛み合わせ

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さて、これで最後です。横浜戦といえば、実は我々にとっての最高のサンプルは、昨年豊田スタジアムで対峙した際のあの試合が、何よりの教材だったりします。あの試合はそれはもう擦り切れるほど見直しました。前半、全くといっていいほどこの「前からハメる」名古屋のスタイルが噛み合わなかった苦い記憶。動く商品棚にヨダレを垂らして近づけばそれによって空けてしまったスペースを活用され、ほぼなす術なく振り回されたわけです。ハチ!元気か!

スタイルは見事に噛み合うんです。繋ぎたい横浜、奪いたい名古屋。ただそれが今回上手くいくかは分かりません(知らん)。無責任?いや、時々「◯◯攻略法」とか「◯◯にはこう対抗しろ」って謳い文句ありますよね。でも私たちは分析官でもないし、実際に選手に指示出来るわけではありません。無意味とまでは言いませんが、結局やるのは現場の選手達で、その選手達を動かすのは監督やコーチ陣ですから。私たちが楽しむべきは、「どのポイントを抑えて試合を楽しむか」です。その意味でいえば、間違いなく名古屋と横浜の対戦は、「横浜のビルドアップvs名古屋の超ハイプレス」のマッチアップだと。おそらくここで主導権を握れれば、勝てない相手ではございません。その結果としてボールさえ握れれば、今の名古屋はその点Jでもトップクラスの技術を持ち合わせていると考えて良いでしょう。ボールさえ保持出来れば、おそらくそう簡単には奪われません。

さて、そろそろ終わりに致します。そろり...そぉおろり!!!

今こそ言いたい「一見さんを連れてきて」

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いやー、勝ちました、合コンに。

migiright8.hatenablog.com

断言します。ございません。(脱線)

いやいや、今回は合コンのダイジェスト版をここでまとめるわけではなく。札幌さんも、力のあるチームには違いありませんから。レビューは他でお任せしましょう。ですので、もし札幌サポーター様で「レビュー」を期待して開いてくださった方がいれば、ここからはそういった内容ではないということをまず前提に。ただし、他サポの方にも「面白いな...」と思ってもらえる内容にしたいなとは思います。

今回の札幌戦を観戦して、思ったんです。「あ、これ今のグランパスの魅力、全部乗せな日だ」って。ピッチ上に関して言えば、風間八宏就任以降のグランパスではベストゲームだったのでは。あれこそThis is 風間八宏向井秀徳リスペクト)。だからこそ今ここで書きたい。

今の名古屋グランパスの魅力とは。これを読んで気に入ってくださった方がいれば、是非コピーでもして頂いて使ってください。もちろんこのために。

「一見さんを、連れてきて」

名古屋の魅力あるあるを言いたい

さて、札幌戦を通して私が感じたこのチームの魅力を、これから一つずつ綴っていきますよーあるあるを言いたいーあるあるを言いたいー(もうやめます)。

【一つ目】豊スタが遠い!

割愛でーす。

【二つ目】とりあえずスタジアムギャラリーに行くべし

「選手知らないもんっ!」って言われますよね。大丈夫。スタジアムギャラリーで説明してあげてください。

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名古屋一の荒くれ者だと。

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サイン可愛すぎやろと。

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ユースの至宝、名古屋と日本の未来だと。

【三つ目】進化したスタジアム

いやーラグビーワールドカップ開催ありがとー!豊田市ありがとー!つまりトヨタ自動車様ありがとー!もう全方面に感謝ですね。スタジアムで携帯いじってたら気づきました。「ハァ!Wi-Fi繋がっとる!!!」と。スタジアムもどうですか。

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アウェー側にも大型ビジョンが設営されました。

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はい明るいLED照明も設営されました。

もう言うことないでしょう。「三代目のライブ行こ!照明もハンパないよっ!」とか誘っても許されるんじゃないですか。音響も凄いんですから。ヨーヨーヨースケの声でけーよ(圧倒的なあの音響設備が悪い)。大丈夫、着いたら宮原様見せましょうよいけるいける(ちなみに豊スタのナイトゲームは7月20日ガンバ大阪戦までございません。ポテンシャル発揮できるまで遠っ!)。

【四つ目】まさかの進化を遂げた「グラップ」

試合前にスタジアム主導でやっていたこのグラップ。まさかまさかの進化を遂げました。この日の試合前、ホームゴール裏では新しいチャントの確認など、いわゆる決起集会が行われていたんですが、私も驚きました。「あれ...グラップ、ゴール裏いじりだしたやん...」と。

これは個人的見解なんですが、グラップ、物凄く複雑でした。おそらくスタジアムの一体感を狙って考えられたものかと思いますが、特に一見さんにはわりに難しいテンポだったと。以前とは違い、今は試合前だけですから。記憶に新しいところでは大村知事、酷かったですね。やはりゴール裏の皆さま主導の応援(チャント)に比べると、グラップは見劣りしていた。これはくどいようですが、私の感想です。

ここから真面目なこと書きます。

この試合から、動画の通り、「ウー!」という掛け声が入るようになりました。試合中にも度々この改良したグラップを「ゴール裏の皆さま主導で」やるようになりました。

これ、わたしは凄いことだと思うんですよ。

以前こんな記事が、フットボリスタから発信されました。

とにかく素晴らしい記事で、今のグランパスを知るにはマストな記事です。なので詳しくはどうぞお読みくださいという話なのですが、そこから一つ大事なポイントを抽出しますと、つまり「ゴール裏だけでなく、スタジアムで一体となって応援できる雰囲気を作るにはどうしよね」という大きな課題がこのクラブにはあると。いや、もしかすると、それはどのクラブも同じ問題を抱えているかもしれない。

私はですね、今回のグラップ試合Ver.から、ゴール裏の皆さまの本気を感じました。

いや、これの真意など存じ上げませんし、どなたがどういった意図で考えられたのかも知りません。ただ、これまでの応援って、ゴール裏からチャントの声が響いて、メインやバックの人達も耳を傾けるくらいだったと思うのですよ。リズムには乗るけど、歌えないみたいな。特に一見さんには無理でしょう。当然、スタジアムで一体感を出したいという想いは特に熱心にゴール裏で応援されている皆さまは持っていらっしゃったと思います。そういう声かけも存在した。私も個人的にそういった想いでやってくださっていることを、直接聞かせていただいたこともあります。でも今の所はやはりハードルが高かった。

ただ今回のグラップ改良Ver.(名前は何でも良し)どうでしたか。あれなら、やれませんか。少なくとも、私の前の席にいたご家族は「ウー!って言うんだね。凄いね」って嬉しそうに話されているのを見ています。つまり、あれってゴール裏の皆さんだけでやりましょうっていう発信ではないと思うのです。ゴール裏の皆さんから、スタジアム中に「みんなでやりましょうよ!」って。そんなメッセージを強く感じるものだった。そうだ、思い出してください。スタジアムが一つになった試合、これまでもありましたよね。

そう、二年前のJ1昇格プレーオフ、対福岡戦です。

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多分、私は死ぬまでこの試合の記憶を忘れないでしょう。この記憶と共に棺桶に入れてどうぞ燃やしなさい。それくらい、私にとってこの試合は大切な記憶です。

あの試合の一体感、どこで感じられましたか。私は「手拍子」です。そう、歌は難しくても、この手拍子なら出来る。「ウー!」と、声を揃えることなら出来る。「この試合に勝って欲しい」「観ていてとにかく楽しい!」、ピッチに感情が入り込むと、不思議と人は身を乗り出します。声を上げたくなります。その気持ちを後押ししてくれるのが、この「手拍子」と「歌に変わる何か」ではないでしょうか。

この二代目グラップ(仮)、ゴール裏だけで盛り上がるのではなくて、ゴール裏の皆さまが、スタジアムを先導しているように私には感じられました。これって、物凄く画期的な取組みだと思うんです。

本当に素晴らしいことを始められたな、私はそう思っています。断言します。必ずこれが浸透して、いつか瑞穂や豊スタで何かを賭けた戦いになった時、このグラップがスタジアムを一つにします。選手の後押しになります。

【五つ目】日替わり定食の如く、新しいヒーローが誕生する

もうアーリアめっちゃ最高やん...。てかジョーの鬼パスと、何故か仕上げのキラーパスあそこでかましてるマルに目を疑っています。

毎試合、ほんと日替わり定食かっ!ってくらいに、新しいヒーローが誕生します。しかも、こんな言い方したくないですが、ちょっと国内では「終わった」扱いだった選手が不死鳥のように蘇るこの恐ろしいシステム。私は先週発売されたサッカーダイジェストに赤﨑のインタビューが掲載されていてグッときましたよ。昨シーズン、リーグ戦の出場「1試合」ですよ?アーリアにしても、他サポの方々からは「降格請負人」なんて皮肉交じりで呼ばれたりして。本人も気にしていたと告白してますから。笑えないんです。

でもね、そうやってある意味消えかけていた選手達が、本当に楽しそうにサッカーやってるんです。伝わるんですよ、見ているこちら側に。「あぁ...なんて楽しそうにプレーするんだろう」って。それはね、絶対に観ている観客に伝わります。心を、動かします。アーリア、終盤足攣ってましたよね。でも風間監督は頑として代えなかった。「鬼かよ...」私たちも口からそんな言葉が溢れました。でもね、実は風間監督も観ていたかったんじゃないかって(知らんけど)。ピッチ上で躍動するアーリアをずっと。しかもこの写真、見てほしい。

なにこの一体感。なんでみんなこんなに嬉しそうなの。パンが嫌いだから?パスタが嫌いだから?グルテンフリーだジョコビッチ

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似てるー!!!!!!!!!(ちがう)

各ポジションのライバル争いが凄い。気を緩めたら、簡単に出し抜かれる、それくらいハイレベルな争いをしてます。でもね、これアーリアと真っ先に抱き合ってるの、この試合はアーリアにスタメン奪われた赤﨑なんです。もうそれがアツくて。ライバルなのに、でも仲間でもあって、力を認めあえて、ともに喜ぶことが出来る。漫画の世界じゃないんですよ。瑞穂か豊スタに来てくれれば、目の前で漫画が見れます!

【六つ目】やっぱり風間八宏のチームは面白いよ

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ありがとうございます、最後です。最近、フットボリスタでこんな記事も掲載されました。

小難しいですか。いや、そんなこと言わないでまた読んでみてください。

簡単に言ってしまえば、今年はこれまでの二年間でやってこなかった(やれなかった)ことを明らかに意図してやっていますよと。もっと言えば、選手選考(補強)にしても、こういったサッカーを実現するために、数年間にかけて緻密に、そして積み重ねの中でここまで来ていたことも、まず間違いないでしょう。

「フルコートをハーフコートに」。

これを攻守ともに、です。ある意味でこれは風間監督からの挑戦状でもある、私はそう受け止めます。「貴方達はこの狭く時間のない空間から脱出できますか?」と。相手に対して1秒でも早く、1メートルでも狭く。相手からすればミニゲームに近い感覚でしょう。しかも極狭の。そしておそらくチームに仕込んでいる術はこれだけ。これだけですが、それを誰よりも圧倒的な強度でできる連中を時間をかけて集めてきた。どこにも負けない技術を磨いてきた。そしてこれを実現するために、すべての選手が走り続けることが出来る。相手をハーフコートという名の檻の中に閉じ込めるために。脱走した者を追いかけるために(とほほ...)。檻の大きさを決めるのがマルだとすれば、脱獄者を追っかけるのが若手警察官のしんちゃんです。

「ハーフコート勝負で、貴方達は我々に勝てますか?」

今彼らがピッチでやっていることは、まさに練習場で彼らが毎日やっているトレーニングそのものです。ただ同時に、彼らはそれを二年以上かけて毎日やってきた。それを自分達にとって「当たり前の」フィールドにしてきた。実際に、スタイルがぶつかり合う札幌を、ほぼ完膚なきまでに叩き潰しました。敵将であるミシャのコメントが、全てを物語っています。

今日のゲームに関しては、皆さんもご覧の通り多くを語る必要はないだろうと思います。今日は名古屋が明らかに運動量、そしてゲームを作る、すべてにおいてわれわれを上回っていたので、勝利に値するプレーを名古屋がしていたと思います。

ただ先ほどの記事をもって、一部からはこんな声も聞こえました。

「まだたかだか数試合だろ」「ちょっと上手くいってるからって」

おいおいおい、手厳しくないですか。普段は「守備練しろ」「酷すぎる」と揶揄される風間監督。いざそれらしい形が出来てくると、今度は「そんなの大したことない」と言われる始末。

おっしゃる通りです。たしかに仕込むと言っても、決して緻密なものではございません。後ろで守備を固めるわけでもない。札幌戦なんて見てて笑っちゃったんですけどね。スコアも4対0の状況ですよ。相馬がボール持つ。

「相馬いったれー!!!!!!!」

相馬が相手を追いかけてボールを奪う。

「相馬いよっしゃー!!!!!!!」

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後ろのおじさんと相馬めっちゃアツいやんっ!!いよっしゃーの掛け声は普通に笑うから。話を戻します。そりゃイニエスタに御小言もいただきますよね。「日本人はいついかなる時も同じテンポで攻め続ける」と。それが風間監督の指示かどうかはまた別の話ですが、つまるところ「守るときはしっかり守る、守れる」「時間帯に応じて極端に守備に比重を置く」チームではありません。前述の通り、決して緻密な型が存在するわけでもない。「ハーフコートでなんか戦いたくねーよ」とぶつかり合いを放棄されると、悲しいくらいあっさり破れるときもある。当たり前ですよね。そっちのフィールドには興味がないのだから(白目)。

でもそれで一年でJ1昇格したんです。昇格後も苦労しましたが、なんだかんだと残留したんです。信じられないことに、四万人以上の観客をスタジアムに集めたんです。三年目の今年、「たった」5試合ですが、首位に立っているんです。新元号発表前最後の1位はそう、我々名古屋グランパスです(上手くまとまった)。これは誰に何と言われようと、紛れもない事実です。

それじゃ駄目ですか?「それは選手補強のおかげだろ」となるんでしょうか。その選手達は、「今のチームに」「風間さんのもとでプレーすることに」魅力を感じたから名古屋に来たのではないですか?去年の夏、私達はぶっちぎりでドベでした。大型補強だと言って、奇跡的な残留を果たした。この時も言われましたね。「補強のおかげ」だと。でもあんなぶっちぎりの最下位のチームに誰が来たいものか。それでも来てくれたんです。だからマルは、人目もはばからず泣いたんです。ブラジルのスーパースターも、泣いたんです。

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今のチームは、降格して主力が殆ど抜け、チーム内部もゴタゴタだったあの時期を乗り越えて、クラブと、風間監督と、この二年強で名古屋に在籍した選手達と、そして我々サポーターみんなで作ってきたチームです。

俺の私の戦術論より、その事実の方がよっぽど価値があると私は思う。

いいじゃないですか、守備が酷くたって(震えながら)。カウンターで殺されたっていいじゃないですか(寒い...寒すぎる)。でも札幌戦、「無失点」です。不思議と結果、でています。

私は「風間信者」だ何だと言われても構いません。今のチームが好きです。ひたすら特攻プレスかけて、相手ハメて、ひたすら相手コートで相手殴り続けて、ときにカウンターで殺され、守りゃいいのに攻め続けて....いいんじゃないですか。選手が楽しそうで、観客が楽しそうだったら、もうそれで十分なんです。よくここまできたなって、そう思うから。

声を大にして言います。

これが風間八宏のチームです。

これすごい嬉しかった。別に一緒にキャッキャ出来る権利貰えてないですが嬉しかった。毎日が楽しい、スタジアムが楽しい、試合の展開が楽しい。いいじゃん、最高じゃん。楽しむべきです。だって今ここにある空間は、我々グランパスファミリーで作ってきたものなのだから。

楽しみましょう、我々は今このときこの瞬間を。

【ミシャ式とはつまり合コン方式】第三回 vs札幌

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3-4-3にシステムをいじるってマジですか。

今シーズン初の敗戦(しかもあろうことかゴホッ!ゴホッ!にやられるとは...)、二週間の中断期間ということで、さあでたぞ風間八宏得意のシャッフルが始まったらしい。ヨネを外したり入れたり、千葉ちゃんを入れたり外したり。スタメン予想、無意味だな。実際に形を変えてくるかどうかも全く分かりません。もう3年目で慣れましたね。

「相手には合わせない」「自分達のサッカー」が合言葉の俺たちにとって(ここだけ風間八宏っぽく読んでください)、相手を意識することはしませんね。

ただそうは言っても、次の相手はあまりにも噛み合わせが悪そうだったんです。

「トメルケールvsミシャ式」の仁義なき戦い

ということで次の相手は「ミシャ式」でお馴染み、コンサドーレ札幌

ところで皆さん、「ミシャ式ってなに式だ」ってお思いでしょう。めちゃくちゃざっくり説明するので、当日は意識して観るように!

これが、

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「よしっ!攻めたるで!」となるとこうなる(ミシャ式の出来上がりヒャッホ-!)。

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つまり攻守でシステムが「可変」し、3枚だった最終ラインが「4」に、3枚だった最前線が「5」に、中盤はとりあえず1枚だバカヤロウ!という強気な手法。札幌の最終ラインに目を向けると、ビルドアップの場面、相手の出方によっては規則的に4になるだけでなく、ときに宮澤と荒野、深井の3枚でビルドアップを始めることもあれば、福森だけサイドにあげて宮澤と荒野、進藤の3枚ビルドアップのパターンもある。つまり「相手の守備の基準点(「札幌のこいつにボール入ったら仕掛けるでー!」)をズラす、惑わす」ことが狙いの一つ。的を絞らせないってことですね。後方から丁寧にビルドアップしてきます。そのために最終ラインのセンターは本職ボランチの宮澤、両ストッパーも攻撃時はサイドバックの役割を担えるほど機動力がある。ゴールキーパーであるクソンユンも上手くビルドアップに混ぜてくるあたり、その点名古屋よりよく仕込まれていると言えるでしょう。

ちなみにスタメンに4人ものユース上がりの生え抜き選手が名を連ねるのも特徴。個人的には荒野が推しです。良く動けるし、ボールも簡単には失わない。ミシャ的には柏木陽介のように手塩にかけて育てたいんでしょうか。なんにせよ、これだけアカデミー卒の選手が上でやれているのは、率直に素晴らしいと感じます。

さて、次に名古屋陣営と噛み合わせてみましょうか。今回はあえて4バック前提で。札幌は黒で塗りつぶしてやる。

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分かりますか?拡大しますよ。

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急にふざけるなとページを閉じるのはおやめなさい。「何故前に5枚並べる必要があるの?」、この疑問に誠実に応えるうえで、最も誠実ではない例えこそが理解への鍵だと確信しました。長い時間考えた末の結論だ、聞いてください。

はいお互い机に向き合って座り終えました。我々の右サイドから対面の相手を確認していきます。宮原!菅さんですね。これは菅さん喜んでいるでしょう。しんちゃん!チャナさん。じゃじゃ馬な予感がプンプンします。マル!アンロペさん。これは完全に暴れ馬。イノシシ!ルーカスさん。多分奥手ですがハマればグイグイ来ます。

....ん!?武蔵さんは!?武蔵さんは誰がお相手するんやっ!!

これです(伝わったと信じて進めます)。「相手一人余っとるやんかっ!」これよこれ。例えば合コンに行った際、今回のように男性4、女性5だったらどうですか?最高ですかいやそりゃ最高でしょうよ。ただ余ってる一人は誰がお相手しますか。気の遣えるモテ男なら、普通余ってる一人の女性を放っておかないでしょう(当然ながら僕は手を差し伸べます)。ただ脇見運転すると隣にいる女性は気づかない間に離れてしまっているかもしれない。「この男は他の女にもうつつを抜かして退屈ね」と。もしかすると、ゴールという名の自宅に帰ってしまうかもしれない。武蔵さん帰らせていいんですか?いや良くない。もちろんマルが武蔵さん相手してくれたとしても、そのときはアンロペさんが馬力100%で自宅に全力シュートするでしょうよ(入るかは知らない)。結局合コン未参加のミッチ頼りですかと。ハンサムでも機嫌を損ねた女子は手に負えないかもしれない。そしたらもう自宅着いちゃいます。そう、こうやって男性に二択を迫って、悩ませた挙句離れていくのがミシャ式です。そう理解することで話を押し進めます。

 チャナティップどうすんの!?」

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皆さん、この名言はご存知か。これはですね、昨年の湘南vs札幌戦で、湘南の金子大毅が若気の至りで曹貴裁監督に言い放った一言です。「チャナティップどうすんの!?」すごいですよ、曹さんはこう返しました。「知らん!自分で考えろ!」。おっしゃる通りですね。テメーの合コン相手なんて知ったこっちゃねー。

いやはや、チャナティップが自由気ままな女なんですよ。

相手のディフェンスラインの隙間を縫ったり、相手のボランチ脇で受けたり。嫌がることをしてきます。口癖は「サイコー!!」。俺たちの苦手なパリピ女子確定。さすがに名古屋の選手が風間監督にタメ口きくとは思えませんから、スタンドからぼくたちが言ってやりましょう。「チャナティップどうすんの!?」と。ちなみにそんなチャナティップ、攻撃では釣れないあんちくしょうですが、守備では相手の中盤の選手にきっちりついてくる。マンツーマンとまでは言いませんが、ミシャの指示のもと、相手のボールの出どころであるボランチにしっかりと。札幌は守る際、後方は両ウイングバックが最終ラインに降りて5枚でラインを作りますが、その前の選手達の配置は相手によりけり。「5-2-3」もあれば、「5-3-2」もあると。ときに「5-1-2-2」もある。つまり相手の中盤の構成に合わせて変形してくるのが特徴。第2節の浦和戦では、相手の中盤3枚に対して荒野と深井にチャナティップを加えて同数の3で対応。第3節の清水戦では、荒野のポジションをチャナティップの横まで押し出して、河井と竹内の2枚に同数の2で対応。ということで、おそらく名古屋のジョアンとヨネにもしっかり人をつけてくるでしょう。特にジョアンには、当然ながら警戒レベルマックスで対応してくるはず。

大の苦手、忘れちゃいないぞ鈴木武蔵

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いやー、武蔵が代表って、実質名古屋の勝利ですよね。どれだけ裏に抜けさせてやったのかと。忘れていません昨年の記憶。まー走られました。正直、前向いてよーいドンでは、最初の一歩目でそれなりに差をつけられるでしょう。そこの潜在能力は、やはり日本人離れしてる。

兎にも角にもスペース大好き裏抜け大好きなフォワードで、相性は「最悪」です。前節の苦い記憶を思い出し、もう同じ轍は踏むまいと意気込むしかございません。

migiright8.hatenablog.com

「福森」の役割はつまるところガヤ芸人のそれ

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札幌のストロングポイントの一つとして、やはり福森の存在は避けて通れません。で、これまでの話の流れを踏まえた上で、彼の役割を分かりやすい表現で伝えられないか、そう考えました。ということで、改めて札幌の陣容を確認します。雑に分けるとこんな感じになりました。

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お笑い番組に馴染みがある方はピンとくる自信があります。先ほどの合コンの話に、「ひな壇」というポジショナルプレーの概念を加えましょう。合コン参加中の前列5人はいわゆるひな壇の1段目。トークの主役であり花形ですよと。チャナティップお笑い番組に参戦した米倉涼子だと思ってくれれば良いです。2段目、深井一人と。実際はここまではっきり分かれませんが、「中盤空洞化」と呼ばれるミシャ式を見事に体現してますね。で、やっときた最終ラインの面々。つまり3列目、そういわゆる「ガヤ」です。基本合コンには関与しておりません(荒野は前でてきますけどね)。

が、一人だけひな壇の後方端からチャチャ入れてくるやつがいるんだ。それが「福森」。

あの悪魔のような左足(ガヤ)は危険極まりないぞ。攻撃時はサイドバックのポジションが定位置。ただしわりと彼は自己判断でファジーなポジション取りをします。札幌としても、彼の攻撃力は当然織り込み済みで、右の進藤に比べると、プレーエリアも高く、そして広い。低い位置からアーリーでゴール前を狙ってくる(チャチャ入れてくる)こともあれば、菅を追い越して大外からサイドバックの如く駆け上がる(1列目に乱入してくる)こともある。札幌は左右のバランスが良くて、ストロングポイントは右のルーカスフェルナンデス。左はその分、 菅と福森が上手く絡んでくるので要注意。

イメージ湧きましたか?つまり福森はアメトーーク!でいうフジモンである、こういった結論となりました。ありがとうございます。

名古屋と激似な弱点

これまでを見るとわかる通り、攻撃はなかなかに強烈。中途半端に攻める、守るではおそらく滅多打ちにあうでしょう。ただだからこそ似てるんです、そう我々に。

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ミシャ式破壊の王道は「がっちりブロック組んでからの中締めて奪ったらカウンター」。これでつい先日、鹿島が札幌を往復ビンタしました。鹿島からすればプラン通りもプラン通り、こんなに上手くいくものなのかと内心ほくそ笑んでいたでしょう。それくらいハマるときは綺麗に、そしてあっさりとハマります。チャナティップどうすんの!?問題も、「安心してください、永木ならここにいますよ!(古い)」と、きっちり永木に追撃させて撃退。こざかしい鹿島は、札幌の右サイド、ルーカスフェルナンデスが相手のストロングであり、ウイークポイントでもあると判断。売り出し中の安倍をタッチライン際に張り付かせてルーカスを惑わせ、空いた内側レーンをこれまた売り出し中の安西がカットインして徹底的に使うことで、主に札幌の右サイドを攻め立てました。

で、同じ日に同じようにハメられたのがそう我々。今更思い出すつもりもないですが、ざっくり言ってしまえば、同じようにハメられたと。かたやカウンターで(札幌)、かたやショートカウンターで(名古屋)。お互い共通しているのは「ネガティヴトランジション(攻から守の切り替え時)に弱いこと」。札幌は独特なあのミシャ式の弊害(中盤の空洞化、可変した影響)、名古屋は相手陣内でハーフコートサッカーを志向するが故のハイラインの弊害。ボールを奪われると、中盤の人数薄い、選手の配置もシャッフル状態で簡単にボールを運ばれてしまうのが札幌、同じく簡単にライン裏を通されてしまうのが名古屋とでも言えばいいだろうか。

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冒頭に話は戻りますが、名古屋はまさかまさかの3-4-3にシステム変更という話がある。いや、そりゃ風間さんから言わせれば「俺たちが攻撃しやすいようにやっているだけで、システムは11」と相変わらずつれないブッとんだ言葉を残すでしょう。

ただそうは言っても名古屋とこのミシャ式は噛み合わせ悪いはずなんですよ。

俺たちは合コン下手(だって相手に合わせるつもりはないから)

とにかく、この合コン方式が苦手といいますか、どの選手も優柔不断といいますか、選手間に立たれると不味いのはこの動画を見れば一目瞭然でしょう。その点改めての説明は割愛することにして、つまり意図してか意図せずかはともかく、今回は結果的に風間八宏名物「ミラーゲーム」になる可能性もありえると(以下参考記事)。

https://matome.naver.jp/odai/2140821143219752501

昨年の豊スタ神戸戦に代表されるように、風間監督はピッチ上の噛み合わせを整理する際、最低限の処置としてこの「立ち位置の変更」を多用します。神戸戦のときはこんな表現をしていました。

そこで後半は立ち位置を変えて相手が遭遇するようにした

と。各々が誰を見ればいいか、ある程度クリアにしてあげて、あとは個人戦術やぞお前らと。ミラーゲームとはつまり「各々の対面に相手がいる状況」。当然これまで書いてきた通り、札幌側も立ち位置は変幻自在に変えてくるので、そこまでシンプルな話ではないものの、押さえるべきポイントはこれで解決をはかる可能性もありえる。チャナティップとアンロペ(今更だけどパリコレの元モデルではない)に気持ちよくプレーさせたら詰みますからね。つまり彼らにスペースを与えて簡単に前を向かせるシーンが多発すれば、まず戦い方が「ハマっていない」と考えて間違いありません。というところで、先日の敗戦、さらに代表ウィークで空いたこの二週間は一つポイントかもしれませんね。十分すぎるキッカケと時間はあったと。

さて、どうでしたでしょうか。私はですね、こう思います。風間八宏とミシャペトロビッチは遠い血縁関係なのだと。手法は異なります。我々はトメルケール、札幌はミシャ式。ただその土台にある哲学とでも言えばいいだろうか、ロマン、ですか。これが決定的に同じ。

攻撃大好き、ボールを奪われなきゃええんや!

どこかでこのフィロソフィーを漂わせる両者の激突だと、そうお考え下さればこの試合、盛り上がります。あえて型を与えないヤヒ式と、流石に型は与えるミシャ式。ただ行き着く先は同じ、「殴って殴って殴り続けたい」。鹿島の戦いなんてアテにするか、お互い玉砕覚悟だこの野郎。なにがミシャ式なんのこれしき、俺たちの風間八宏vsミシャペトロビッチは、もはやそんな名物対決なのでございます。

ご清聴ありがとうございました。