みぎブログ

主観で語りますフットボールを。

【まだ第四節ですが首位決戦です】第二回vsFC東京

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首位決戦です(第4節です)。

「俺は書かねーぞ」と次の予告までして英気を養う予定でしたが、この見慣れない四文字(首位決戦)がいま、ぼくを突き動かしています。

正直、満足に相手をチェック出来るはずがないのですが、仕方ない、「首位決戦」なので。

貴方たちとは絶対に結婚できない。相性、さいあく

一度くらい勝たせてください。これがこの2年間、対 FC東京戦の戦績である。

なんで相性が最悪かといえば、簡単に言ってしまえば「パスを繋ぎたいチームvsブロック作ってカウンター」の噛み合わせがそうさせるのだけど、彼らの今年の戦い方を見ても、改めてそれは感じるわけです。ざっくり特徴をまとめてみましょう。

一.深追いはしません

システムは名古屋と同じ4-4-2。ただし守り方が全く異なります。名古屋は相手コートでボールを獲りきるために、相手の最終ラインに前線4人がこれでもかとプレッシャーをかけるスタイル。対する FC東京は、永井が信じがたい走力と運動量で二度追い三度追い上等!と憎たらしいほど追っかけ回しますが、残りのメンバーがどうかといえば、一緒になって追ってくることはそれほどない。前からプレスを敢行する際、名古屋が「目の前にいる相手」を意識しているとすれば、東京はむしろ「自分の後ろにあるスペースや相手」を意識するチームであると。なので、本格的にプレスがきつくなるのはピッチ中央、いわゆるミドルサードのゾーンです。最終ラインも、絶妙に「浅すぎず、深すぎない」ライン設定をします。

二.その守備組織、名古屋が勝ったら頂こうか

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自陣側でのブロック(組織)の質ははっきりと、格上でしょう。よく仕込まれていると感心するしかありません。仮に彼らの組織力が名古屋のゴール前に存在すれば、真剣な話、我が軍はぶっちぎりで優勝です。まず中央でやられない意識が非常に強い。ボールがあるサイド側へのチーム全体の圧縮(スライド)もきっちりしてます。つまり各選手間の特に「横の距離感」は非常にコンパクトであると。出来るだけボールのあるサイド側に全体が蓋をして、「ピッチを狭くしよう」としてきます。

三.サイドのアタッカー2人もきっちり戻ってきますから

これは東と、久保くんさんですね。おそらく、このチームはこのポジション、守備の意識、ポジショニング、強度がそれなりにないと使ってもらえません。それぞれ背後にいる仲間のサイドバックと協力して、しっかり蓋を閉めてきます。先ほど「深追いしない」と書きましたが、相手のビルドアップの際、彼ら2人は特に後ろとのバランス、距離感を気にしてポジションを取ります。もう後ろばっかり見てますから。仲間との距離感命。ちなみに攻撃に関しては東の方がバランサー。久保くんさんのアタッカーとしての素質を活かすために、東が左右のバランスを調整しています。立ち位置としては、両者外には張らず中に絞る。特に久保くんさんは顕著です。

四.奪ったら縦にはやくはやく

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高速カウンターって言葉は個人的にピンとはきません。高速というか、永井が高速なんです。ディエゴもそうなんですが、チーム全体で急にスイッチが上がってギアが入るというより、「よし、お前ら行ってこい!」と。なので結構蹴ってくることも多い。で、わりとアバウトなのにそれをマイボールにする永井みたいな。永井ってね、そりゃ名古屋陣営が彼のこと一番分かってるわけですが、やっぱり今の名古屋との相性は最悪だとは思う。正直、スプリント勝負ならファンウィジョの比ではないから。しんちゃんも普通にちぎられるでしょう。ガンバ戦みたいなシーンが何度もあると。

ただこの不幸を喜んでいいかは分かりませんが、その永井、前節の鳥栖戦で、前半途中に怪我でリタイアしてます。どの程度の怪我か不明ですが、もし彼を欠いた状態だとすれば、名古屋的には相当助かるというのが本音でしょう。東京側としても、チームを攻守に機能させるうえで、彼の果たす役割が大きな鍵になっています。存在感は絶大。長谷川健太のチームにおいて、本来であれば「絶対に欠かせない選手」です。

前節の鳥栖戦ではまず田川が出場。しかし膠着状態を打破するために、彼は途中出場ながら更に交代カードを切られ後半途中に退いています。そして代わりに入ってきたのが、開幕前に新加入で入った「ジャエル」。あれはゴールに近づけちゃダメ。遠くで、遠くでプレーさせないとフィジカルで押しきられる恐れあり。ありゃ重戦車。

ざっと簡単ではありますが特徴をあげてみました。で、「なぜ名古屋との相性が最悪なのか」。これですよね。もう改めて言うまでもなさそうですが、この特徴を名古屋と噛み合わせていきます。

俺たちはなぜ年始に9失点喰らったのか!!!

【東京さんのここが嫌①】だって俺たち、サイドチェンジ興味ないから

まずこれ。東京の守備って、当然のことながらボールと反対サイド、めちゃくちゃ空くんですよ。当たり前ですよね、全体がボールサイドにスライドしているわけですから。一つ剝がせれば、逆サイド、ドフリーです。ただね、俺たちはその密集を突っ切ることこそがロマンだから。壁があるならぶち当たっていく、これがポリシー。いやいや普通にぶつかるだろって私だって冷めた顔して突っ込んでやりたいですよ。でも俺たちは(今さらですが風間八宏風です)そこを割って入って最短距離で行きたいんだよと。サイドチェンジ?そんな遠回りごめんだよ!(意訳)ってことですわ。いや、実際は効果的なサイドチェンジ、風間監督的にも有りだと思うんですが、それでもそのサイド攻略しようとするのが名古屋なんですよね。壁は飛び越えるな、ぶち壊せと。

シャビエルきちゃうし。右、宮原ひとりだしみたいな。これで正々堂々ぶつかって、仮に繋ぎでミスとか、相手に引っかかるとこれ。

【東京さんのここが嫌②】奪われたらあいつら待ってくんない

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速攻でカウンターです。ぼくはしんちゃんとファンウィジョの走り合い、愛を込めて「徒競走」と表現しましたが、当然意図していない奪われ方をすれば、名古屋の場合こうなると。なにせサイドバックは高い位置を取りますから。東京の前線の選手からすれば、走るスペースはどれだけでもあるわけです。彼らは「ロングカウンターを愛する会」代表です。永井やディエゴはその愛好家、常習犯といってもいい。

そうなると頼みの綱って、もはや風間八宏に神が授けた奇跡のルール「オフサイド」しかないわけで、フライングを知らせるピストルをマルに都合よく撃ってもらう(オフサイドトラップ)しかないと。つまり、一試合のうちに何度も中盤でボールロストしてれば、そりゃ9回スタートダッシュ成功されても仕方ないだろうと(もちろんそれだけが失点の理由ではないでしょうが)。

【東京さんのここが嫌③】あいつら「ボールを持たせたい」チームだから

相手にボール持たれるの、苦じゃありません。彼らはむしろ「ボールを持たされた方が」苦手です。正直ビルドアップの上手いチームではない。持たされて、逆に相手に構えられると、意外とチームとして崩す術が乏しいのが欠点。ゲームを作れる選手がいないのです。高萩も決して司令塔という振る舞いはしない。遅攻になると左サイドから崩しにかかるケースが大半ですが、なかなか崩せない。久保くんさんも必然、存在感は薄れます。ただ相手が前に出てこればめっぽう強い。スペースこそ正義。ロングカウンターこそが唯一信じられるものであると。面白かったのは、湘南戦と鳥栖戦において、東京の前線の選手たちは別人のようでした。もちろん前に出てくる湘南相手だと水を得た魚です。対してしっかり守ってきた鳥栖戦は、途中相手が一人退場したこともあり、沈黙しました。

分かりますでしょうか。つまりこういうことです。

攻守において、名古屋側からすれば兎にも角にも噛み合わせが悪い、条件だけ見れば全てにおいて分が悪い、それが東京。

その壁を突き抜けるしかないわけです、俺たちは。トメルケール頂上決戦がvs川崎だとしたら、トメルケールvsマモッテハシールの頂上決戦はvsFC東京ですよ。この二チームこそが、今年どこよりも俺たちが潰さなければいけないチーム。特に東京は我々のスタイルからすれば、「最も憎たらしい天敵」であると。

東京の昨年の順位は年間6位。失点数こそ川崎に続いてリーグ2位の34失点と硬い守備を誇ったものの、頼みの得点がリーグでも下から4番目の39得点。名古屋が52点獲っていたことを考えれば、なるほど東京の特徴がデータからもお分かりいただけるかと思います(俺たちの失点数?しらねーよ)。つまり洗練された守備組織に対して、攻撃の仕込みが物足りない、それは前述の通りです。

ただ、そんな東京に圧倒的な違いを生みだせる救世主が現れたんですよみなさん。

遠く愛知から叫びたい、「君はやはり日本のメッシだ」と

そう、久保建英です。

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はっきり言ってとんでもねーです。エグいです。モノが違います。宇佐美貴史といい、長谷川健太のひきの良さにドン引きしてます。

ぼくは正直、彼をナメてました。いや、というのも今となっては風間監督同様、ぼくも名古屋こそ至高、名古屋にしか俺は興味がない路線を貫き、暇さえあれば名古屋の同じ試合ばかり観てたので、彼のことそこまで追ってなかったのですよ。J3には出ていたけど、トップになかなか絡めずまさかのマリノス行き。話題にはなったものの、大きなインパクトを残したかといえばそうでもない。それが率直な印象でした。

いやいや、あれとんでもねーよ。観てない間に何があったんでしょうか。

いや戸田さんわかります。彼は日本の未来だ。17歳ですか、川崎サポさんには申し訳ない言及になるけれど、開幕戦、代表クラスの車屋が子ども扱いだったもんね。ボールは奪えない、取りに行けば抜かれる、もしくはファールになる。当然ドリブルだけではなく、良質なパスもでてくると。

今はそれほどでもないですが、以前はグランパスと並行して結構なバルサオタやってまして、当時まだカンテラ(ユース)にいたメッシの動画を見たり、トップチームデビューしてからはデビュー戦から何年も毎試合欠かさず観てましたが、なんというか出始めの頃のメッシを思い出します。そりゃリーグも違いますからレベルが彼と比較してどうかなんて野暮な話はしませんが、そこから受けるインパクトが非常に近い。これまで日本にも数々の名選手がいたわけですが、左利きであれほどまでに細かいタッチ、絶妙なボールの置き所、全く減速しないドリブルを駆使した選手がいただろうかと。年齢関係ないです。海外に引き抜かれるのも、代表まで登りつめるのも、もはや時間の問題でしょう。

しいていえば、東京のスタイルでどこまで彼の特徴が活きているかという点でしょうか。なんですかね、メッシはメッシでも、アルゼンチン代表にいるメッシというか。前述した通り、東京の攻撃はわりと前線の選手のクオリティに依存している部分があって、独力での突破を求められるケースも多いので、狭いエリアでのコンビネーションであるとか、いわゆるバルサ的なメッシとはいかないのが難しいところ。あとは「守→攻」の展開が速いチームなので、どうしても中盤で消えてしまうこともある。決してこれは東京が悪いという話ではなく、そういうスタイルの中に彼が身を置いているという話ですね。まあとにかくエグいです。

そして今回、対面の相手となるのが、

 

 

でたーーーー。豊ちゃんでたーーーー。

ということで、このマッチアップ、この試合の注目ポイントです。「国内のサイドバックでは代表に最も近い男(大森談)」吉田豊は、日本最高峰のポテンシャルの塊、久保建英を止められるか。

さて、長々書いてまいりました。そうだ、マルやヨネ、アーリアは古巣戦。移籍したのに買ってしまった都内の一戸建て、ヨネは試合後泊まるのか。興味は尽きません。

最後にアーリア。シュートを、打て。以上です。