みぎブログ

主観で語りますフットボールを。

「奪う」と「握る」で川崎を取り締まれ

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川崎がヨーロッパナイズされていると評判だった。

だから率直にこう思った。お前ら裏切ったのか、と。

彼らの評判はすこぶる高かった。「強くなりすぎた川崎はなんか嫌」ダゾーンを遠ざけるのはこの気持ち。

中村憲剛が長期離脱した今シーズン、中盤逆三角形の4-3-3に挑戦する展開には驚いた。さては日本のマンチェスターシティ路線。そのシティと斜め上な展開で兄弟盃を交わしたのが同じ神奈川の雄、横浜Fマリノス。彼らに王者の称号を奪われたのが効いたのか。確認するためにここは過去の記憶を遡るべきだ。


2019明治安田生命J1リーグ第33節vs川崎フロンターレハイライト動画

大敗する川崎をほじくり返して一息つく。

名古屋とはリーグ前哨戦となるルヴァン杯の一戦が迫る。時はきたと意を決し川崎の試合をチェックした。

正直エグかった。彼らの強さは、想像以上だった。

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川崎よ、〝出したら寄る〟をどこに忘れた。なぜ大島僚太が裏に走る。後ろはお構いなしでゴールしか目指していなかったあの初々しい田中碧はどこへいった。

阿吽の呼吸に依存したあの日の川崎は何処かへ消え去り、真夏のピッチを人ではなくボールが絶えず動き続ける。短く正確だった止める蹴るは長くそして速いパスに変わり、〝空いている場所〟だった外側には俺の居場所だとサイドの住人が居座った。失ったのは局面ごとの想像を超えた細かい崩しとそこを突破する破壊力。しかし手に入れたものは揺るぎないバランスとその結果生まれた圧倒的なボール奪取力。よそ者には厳しかった川崎特有のリズムも、今は諸手を挙げて彼らを歓迎だ。ピッチでは新参者の山根から新人の旗手まで、何ら違和感なく俺は川崎の選手だと主張する。

まさに〝洗練〟。ただ面白かった、ただ美しかった川崎は影を潜め、彼らは〝強く、そして美しい〟フットボールを目指すレールを見つけたようだった。目の前では昨シーズン、疑似カウンターなる戦法でリーグを席巻した大分のビルドアップが今にも窒息死寸前。

こいつらにどうすれば勝てるのかと途方に暮れる。彼らの試合を観た後、正直にそう思った。ただ我々だってもうあの日の姿ではない。相手の急所を突く嫌らしさとクラブに嫌味を言わせたら右に出る者はいないあのマッシモならきっと、活路を見出してくれるはず。

気を取り直しここからは、先日のルヴァン杯を振り返りつつ直前に迫ったリーグ戦の展望をしていきたい。


【ルヴァンカップ ハイライト】名古屋グランパス vs 川崎フロンターレ(H)2020Jリーグ YBCルヴァンカップ グループリーグ 第3節

 

予想出来るはずのない「ボランチ シャビエル」爆誕

マッシモはきっと考えたはずだ。

川崎がボールを保持し名古屋の陣地を占領するなら、守って刺し返せばよいのではと。ただ同時にこんな疑問も浮かんだはず「果たしてそれが効果的なのか」。

彼らにボール保持された先にあるものは何だろう。灼熱のピッチで永遠振り回されるボール回し、占領される我らの陣地、奪っても追い込み漁の如く迫り来るハイプレス、最前線で待ち構えるレアンドロダミアン。

想像を越えた地獄。最後に至ってはもはや違法な隠し口座。シンガポール目掛けて高飛びしそうな空中戦。

マッシモは重い腰を上げ、ついに決心する。

不正は許さない(=ボールは回収だ)※想像です

そして爆誕したまさかのシャビエルボランチ起用。

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それは奇抜なアイデアだマッシモ ※私の声です

本場セリエAの発想を遺憾なく発揮するマッシモ。

狙いを推察する。まず分かりやすく〝技術〟。川崎のプレスに怯まない〝質〟がポイントだ。但し質が担保されても相手に数的優位を奪われるのは避けるべき。

ここでの数的優位とは即ち名古屋のビルドアップ。

川崎の前線のプレスは中に1枚、左右に1枚ずつの計3枚。そのうち左右の2枚は名古屋のサイドバックに貼りつかず、そこへのパスコースをきりながらボールを中に誘い込む。背後で控える中盤の2枚(インサイドハーフ)が、川崎ゴールに背を向けボールを受ける名古屋の選手に猛スピードで襲い掛かる。これが目的だ。

つまり川崎の狙いは相手のパスコースを〝中央〟に誘導すること。逆に言えば中央の優位性を奪うことこそ名古屋にとっての活路となる。中がとれれば外もとれる。これさえ出来ればボールは進むし川崎は下がる。

そこでマッシモが閃いたのがシャビエルのボランチ起用。名古屋のセンターバック(2枚)からビルドアップを行う際、直接的に対峙するのは川崎のワントップ1人のみ(1枚)。ここに背後から川崎の中盤2枚(インサイドハーフ)が加勢しようが、もちろん名古屋もボランチの2枚が控えている。つまりビルドアップのスタートとなる中央のエリアに限っていえば〝4(名古屋)vs3(川崎)〟。あったぞ数的優位このエリアは名古屋のものだ。「+1」の優位性を最大限生かす駒として白羽の矢が立ったのが、〝奇策〟シャビエルだった。

そしてこの起用にもう一つメッセージが込められた。

 

川崎の心臓「アンカー」田中碧からボールを奪え

川崎に名古屋陣地を占領されまいとビルドアップには手を打った。では他方、川崎のビルドアップは易々と許して良いのか、いやそんなことはない。自由にやらせれば結局は自陣に即張りつけの刑だ。しかしボランチには奇策シャビエルとはやっちまったなこの采配。

しかし神はマッシモを見捨てなかった。いや名将マッシモは見つけ出したのだ。この奇策の勝算を。

そうか....シャビエル前からプレスだ ※想像です

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マッシモは狙いを定めた。川崎のボール保持を支える大黒柱は、中盤逆三角形の底に位置するアンカー田中碧だと。彼を徹底的に潰し機能不全にすることが、川崎のボール保持にきっとバグを起こすはずだ。

シャビエル、川崎のビルドアップが始まったら後ろで構えてはいけない前だ前に突撃だ ※想像です

名将マッシモの心は弾む。そしてシャビエルも従順だった。いや、従順じゃないとあいつは試合に出してくれないと彼は学んだ。あの高速スプリントが田中碧に襲い掛かる。そして生まれた怒涛の2得点。

どのようなクオリティーが自分たちにあるか、スピードやテクニックという部分をいかし、ボールを持てば一気に相手ゴールに迫ることができるやり方で、ボールの奪い方も含めた準備をした上で、今日のメンバー配置で試合に入りました

マッシモすげーあんたやっぱセリエAの監督さんだ。

〝対川崎〟によって生まれた奇策。しかし攻守に理に叶ったシャビエルボランチ起用というマッシモの賭けは、少なくとも前半23分頃までは大当たりだった。

この起用はまさに攻守一体疑ってごめんなマッシモ。

 

名古屋に潜むビルドアップの「穴」

鬼木達を悩ませたシャビエルのボランチ起用。

悩みは二つ。名古屋のビルドアップを阻害できないこと、また己のビルドアップが機能していないこと。さてペースを取り戻すにはどちらを解消するべきか。

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今季の川崎の強さは試合を通し戦い方を細かくチューニング出来ることだ。この試合ではチームの守り方を三段階で微調整。立ち上がりは名古屋の二列目にスペースを与えまいと低く構えブロック形成。しかし前述した名古屋の狙いとビルドアップに手こずった結果、前半13分に従来のハイプレスに変更。そして前半も半ば飲水タイムを迎えた彼は、三つ目の手を打った。

この一連の細かい修正に鬼木達の哲学が垣間見える。

4-3-3への固執やめて奪う際4-4-2な ※想像です

彼が常に選ぶのは〝ボールを奪うための選択肢〟だ。運ぶ、ではなく、奪う。この選択肢こそが、試合の主導権を奪還する最善手ときっと彼は考えた。

この決断が、試合の様相を一変させることとなる。

名古屋側のビルドアップが始まる際、4-4-2の「2」を担ったのは中盤の下田だ。このケースだけは2トップのように装い、名古屋のセンターバックにプレッシャーをかけていく。つまり名古屋の4-4-2に対して、同じく4-4-2に変形することでシステムを噛み合わせ、それぞれがマッチアップする構図に切り替えたのだ。

さらば中央の数的優位。さらば俺たちの対川崎戦法。

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川崎の対応策で露呈した名古屋の弱点、それは〝ゴールキーパー〟だ。ビルドアップでそれぞれがマッチアップする構図になった場合、一人だけフリーでいられる存在は当然ながらゴールキーパーだけである。現代のフットボールでは彼らもフィールドプレーヤーの一人としてカウントされ、その振る舞いが要求される。彼らが効果的にビルドアップに参加できれば、他が数的同数でも常に「+1」が保障されるからだ。

しかし悲しいかなミッチは足もとが得意ではない。

この名古屋の構造に自覚的だったのは、おそらく鬼木達であり、マッシモ自身であっただろう。結果的に川崎の対応策は名古屋に〝運ぶ〟スキルを問いただし、そこで活路を見出せない名古屋を後目に、試合のペースは徐々に川崎へ傾くこととなる。

 

「奇策」を「愚策」に変えた鬼の子、鬼木

ボールを握れなければ魔法の子もただの問題児だ。

川崎が名古屋陣地を占領し始めたことで、その魔法の効力は消え、ピッチには悩ましい光景が広がった。シャビエルはどこにいる。シャビエルよ戻ってこい。稲垣はなにを遠慮している。シャビエルに喝を。灰になる、稲垣おまきっとこのままだとマジ灰になんぞ。

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ここまでブラックとは予想外でした ※想像の稲垣

数的優位な利点も失っただけでなく、あろうことかボランチの守備もままならない。マッシモが対川崎に用意した奇策は一種の賭けだった。賭けに勝つ唯一の手段は、〝川崎相手にボールを保持し、川崎陣地で試合を進め、奪われたら川崎陣地で奪い返す〟。気づいたもはや唯一じゃない。つまり川崎がやりたいことを我々がやる。これが川崎に打ち勝つ最善手なのだ。

意図せず彼らに自陣を奪われたら最後。チームの重心が下がれば前線との距離は間延びし、川崎の心臓であるアンカーへの規制はきっと解けてしまうだろう。

だからこそマッシモはまずビルドアップの優位性を求め、川崎の陣地を奪うことで同時に彼らのビルドアップも奪おうとした。これが彼の戦略だった。

試合前のマッシモのコメントはその象徴だ。

今回の試合に関しては、〝質の高いサッカー〟という方向性で準備をしなくてはいけないというイメージを持っています

川崎にはその質をこちらの質で上回るしかない。

しかしながら川崎はその名古屋の狙いに対し、細かい微調整でビルドアップを阻害し、名古屋の陣地を奪い返すことで己のビルドアップも蘇生させたのだ。

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結局、シャビエルボランチの奇策は前半で終了した。

大博打に勝ったかに見えかけた矢先の落とし穴。その奇策は、鬼木達の英断によって愚策に変わったのだ。

前半の攻防を振り返り試合後に鬼木達はこう語った。

飲水タイムよりも前に少し変化をつけていたんですけど、本当はもっと序盤の序盤に(名古屋の狙いを)分かっていながらも、自分たちの形を推し進めたいという葛藤もあって、時間が経過してしまいました

川崎は試合を通しプレスのパターンをいくつも試す。

彼らが何度も何度も微調整を重ね、最も神経を注ぐのは〝相手の出方に対しどう圧力をかけるか〟だ。

だからなのか彼らはスロースターターだ。この試合ではそれ以外に自軍の右サイド(名古屋の左サイド)の守備に綻びがあると判断すれば、小林と宮代のポジションをチェンジし盤石な体制を築いた。それでも尚「分かっていてそれでも貫くか悩んでいた」と言うのだ。

なんと恐ろしい男よ。鬼の子だよアンタは鬼木達

 

次なる戦いの予告編となった後半

後半からボランチジョアンシミッチを入れ、通常運転に切り替えた名古屋。お互いのシステムと選手が真っ向から絡み合い、試合は混沌とした。

しかしながらお互いに無得点で終わったこの後半は、リーグでの再戦に向けた睨み合いのようなもの。

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名古屋に突き付けられた課題、それは川崎のプレスをどういなすか、その術を持ち得るかどうかだ。

人数の誤魔化しが効かない中、では何で優位性が得られるか。〝質〟か〝位置〟だ。どれだけのプレッシャーが迫ろうとびくともしない質を求めるか、数で誤魔化せなくとも各々の立ち位置で優位を得られる工夫。

さてこの日の後半、川崎のブロックを後退させる、彼らが嫌がる場所でボールを受けられた名古屋のオフェンシブハーフがいただろうか。悲しいかな皆無だ。

その文脈で一方の川崎に目を移すと、4-4-2に変化する中で最も守備のスキルが問われるのは、4-3-「3」から4-「4」-2に移行した前線に位置する2人のウインガーである。〝中〟で奪うチームが〝外〟で奪うことを求められたとき、彼らの立ち振る舞いが重要なキーとなる。つまり名古屋からすれば川崎に4-4-2の練度を問うことこそが、勝機を見出す最大の活路だ。

ウインガーといえば三笘よちょっとこっちに来い。

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イケメンで長身。あのストライドにスピードと技術。腹立たしいくらいの落ち着きに、それらが生んだ何でも可能なあの佇まい。ギリギリまでプレーの選択肢は担保され、急激にストップするあの深い切り返し。カメラに何度抜かれようが変わらないそのイケメン。

控えに目を向けると齋藤学に怪我人には長谷川竜也。

おかしい早く荷物をまとめてベルギーに飛べ三笘よ。ラストゲームとかせず即ベルギーに飛んでしまえ。

あと家長あんたのやってることは「ピッチ上の飲水タイム」だ。相手陣地を制圧したいからとあんたは常にタッチライン手前。それはもはや違法な飲水タイム。

#ジャッジリプレイで取り上げて (※DOGSOだ)

本当に腹立たしい選手層だが俺は黙って終わらない。

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あっはっはもう名古屋の阿部ちゃんだばーかばーか。

あの川崎に対抗するには、位置的優位の申し子、阿部浩之はもはやマストで必要だ。絶えずパスコースに顔を出し続ける金崎夢生とともに、川崎の選手たちが困るような位置取りを阿部ちゃんが繰り返すことで、彼らの4-4-2に歪を生み出したい。歪めよ今すぐ歪め。

 

川崎の圧倒的な出力を生む「もう一つの秘訣」

無敵にみえる川崎にだって付け入る隙はきっとある。

前述したプレス時の4-4-2の練度もそう。また攻撃時の4-3-3の破壊力が、マッシモ名古屋カテナッチョ(通常Ver.)に通用するのかは、実はまだ未知数だ。

次の再戦で出方が読めないのはむしろ名古屋。

大博打に打って出たルヴァン杯で、川崎との距離感を正確に掴んだマッシモはさてどんな手を打ってくるだろう。同じゲームプランで川崎の陣地を奪いに行くか。はたまたそれは難しいと判断し、一か八か川崎の攻撃を受けつつ一撃必殺のカウンターで対抗するか。

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カギは、マッシモが川崎の攻撃力をどう評価したか。

彼らの攻撃を〝受けきれた〟ならゲームプランを変えるのも一つの手だ。しかしその攻撃力にやはり一目置くのなら、あの日と同じく真っ向勝負しその陣地を奪いに行くはず。そもそもその評価に関わらず、川崎攻略の王道パターンはその土俵で叩き潰すことにある。

しかし今季の川崎の強さ、もう一つポイントがある。

前後半それぞれの戦い方と、それを可能とするチームマネジメント、いや彼らが歩んだ歴史そのものだ。

彼らにとっての前半とはまさにチューニングの時間。であるからして、本来の破壊力が発揮されるのはむしろ後半だ。彼らが脅威的なのは、それを意図的か見事に使い分けていることにある。例えば三笘の使い方はその代表格。お互いクローズドな展開となる前半は相手にアジャストすることに手間と時間を割き、間延びし始めオープンな展開になる後半に攻撃のリソースを注ぎ込む。それが彼らにとっての王道パターンだ。

それらを可能とするのは、当然ながらリーグ随一の選手層。しかしながらただ良い選手を揃えたわけではない。ボールと相手を徹底的に走らせるそのスタイルに合致する選手達が各ポジションに名を連ねる。だからこそ誰がでてもその質は落ちることなく、この過密日程と高温多湿な環境において、相手にとって一試合で二チーム分と戦っているような状況が生まれている。

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断言する。彼らはリーグの歴史に残るチームにきっとなる。その定義はただ美しい、ただ面白いではない。

観ている側が見惚れるどころか嫌になってしまうような、そんな理屈を超えた先にある圧倒的な強さだ。

 

技術の先にあったのは「最小失点vs最多得点」の戦い

では名古屋は彼らに太刀打ちすることが出来るのか。

名古屋が川崎に勝るもの、それはフィジカルとしての圧倒的な〝速さ〟にある。ではそれをどう活かす。

川崎の試合運びを逆手に取るのはどうだろう。狙いは飲水タイムまでの前半20分間「かわさきが眠るゴールデンタイム」だ。ルヴァン杯のとき同様、鬼木達が葛藤するこの時間こそが最大のチャンスである。逆にいえば、前半でリードされる展開だけはどうしても避けたい。それは「かわさき勝利の方程式」だから。技術でぶつかるか守って泥沼に誘い込むか。あるいは前後半で戦い方をミックスさせるか。この手段に注目だ。

そしてその答えは8月23日、豊田の地で全て分かる。

「川崎の技術にはそれを上回る技術で凌駕せよ」

これが風間八宏のやり方だった。しかし時を経て、この戦いはもはや戦略戦の様相を呈している。技術に合理性を混ぜ合わせ、他を寄せ付けない力を得ようと己の理想を突き進む川崎。技術にフィジカルそしてカテナチオを混ぜ合わせ、相手の長所を喰い殺す名古屋。

もはや〝運ぶ〟でなく〝奪う〟ことで共鳴する両者は徹底的に勝利の為に知恵を絞る。しかしながらその両者があいまみえたことで、一方は新たに手にした奪う術を追求し、もう一方はその波に飲み込まれまいと試行錯誤を繰り返す。奪って技術を駆使する者と、技術を駆使する瞬間(トキ)を見極める者。〝不変〟なのか〝変化〟なのか。どれだけ否定を重ねても、両者を支えそして消えることがないのは〝技術〟の血だ。

お互いの距離感を測ったあの日の前半。

そして決着がつくことなく睨み合った緊迫の後半。

それらが次なる90分の戦いに繋がったのは、あの緊張感の中、一人違う世界線で生き続けた大島僚太のおかげであることを、このブログの最後に記したい。

さあ豊田スタジアムで、決着を。

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