みぎブログ

主観で語りますフットボールを。

クラブに二つお願いがあります

今週月曜の朝、ガーシー当選より驚く事実があったか。

名古屋の人たちにはあった。誰一人として予想すらしていないのだから、ガーシーすら抜いたと思ってる。

ナガーイーの電撃復帰だ(もうやめます)。

爽やかにWelcome Back!と迎える公式。待って、何が起こっているの。正直、未だに現実が理解出来ていないが(ピッチの姿をみて初めて実感するはず)、名古屋のために走るというのなら分かったWelcome Back!

それにしても33歳になった永井謙佑を移籍金満額払って獲得とはフロントもまあ太っ腹。彼に加え新加入の永木亮太(湘南→名古屋)が34歳。もうこれははっきり言うが、兎にも角にも「(今季は)絶対残留!」の強い意志と受け取った。仕方ない、なにせ順位が順位なので。

シーズン前の(コロナ感染による)キャンプ中断に加え、相次ぐ怪我人の数々と、誤算も多々あったはずだ。そしてまたも襲うコロナの波、さすがに嫌になるわ。

あえて指摘もするならば、やはりクバ長期不在に対する見込みの甘さか(偉そうな物言いになってしまうが)。

たしかに酒井宣福は良い選手。それはサガン鳥栖も観てきた私が断言する。しかしながら、ワントップの実績はこれまで皆無だった。あくまでツートップで、しかも多くのチャンスを生み出すチームで築き上げたシーズン8得点(2021)だったこともまた忘れてはならない。

 

そもそも何故ここにきて永井なのか

前半戦、長谷川健太率いるグランパスは苦戦した。

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酒井、柿谷曜一朗金崎夢生。中央にどっしり構えるタイプでない彼らに課せられた「得点」の責任が重くのしかかる。それは、クバ加入前のマッシモフィッカデンティ体制とおおよそ似た現象と言っていいだろう。

昨季と変わらず、今季の名古屋もカウンター型のチームだ。だからこそ、スピードなりパワーなり、つまり〝ゴールの型〟が明確なストライカーの方が周りは絵が描きやすいように思う。ボールを保持し相手を押し込んで、バリエーション豊かに崩すチームではないのだから。

そこでやってきた永井。あかんハマる(知ってる)。

帰ってきた理由が、

  1. ストライカーで使ってもらえること
  2. 健太さんだったこと
  3. 恩返し

の優先順位には「永井おまそういうとこやぞ」とツッコみたいが、ここに健太さんの良さも凝縮されている。

要は「出来ないことをやらせない」のだ、健太さんは。

象徴的なのが徳島ヴォルティスから帰ってきた石田凌太郎。徳島では一体何があったんや!とは徳島の地に残る七不思議(あと六つは知らん)。とはいえ、あれだけ使われなかったのだ。少なからずダニエルポヤトスの戦術に対する理解度に難があったのではないかと推測する。

一方の健太さん、難しいことは求めない。つまり、割り切って石田の良さだけを活かす。それはもちろん「自身の戦術にハマる前提」があってこその話だが、逆にいえば、この素材がどうすれば自身の戦術で活きるのかを見極める力がある。帰ってきた石田を(守備面も求められる)サイドでなく、最前線で裏抜けと相手の追い回しを徹底させた起用法には舌を巻いた。その手があったか。

藤井陽也もそう。丸山祐市中谷進之介で挟んで使えば育つはずだと。この思い切りの良さ。結果育つ育つ。

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どんな素材が優位かといえば、やはり身体的ポテンシャルの高い選手。逆に、一人で違いは生み出せないが、複数人なら誰よりも輝くような選手や、ボールに触ってナンボの選手は比較的苦労する。湘南ベルマーレに移籍してしまう阿部浩之もそうだし、それこそ仙頭啓矢だって本領発揮とまではいっていない(健太Verの仕様を模索してチャレンジしてるのが仙頭の素晴らしさだが)。

その証拠に、現在レギュラーを務める多くの選手は明らかにフィジカル(速さ、強さ、高さ)に特徴を持つ。柿谷にしろ仙頭にしろ、本来テクニシャンとして名を馳せた選手たちは、むしろ〝走ること〟で生き残ってきた。

そんな歯痒さがある一方で、永井のような選手が「ストライカーとして」「健太さんなら」使ってくれると絶大なる信頼を置く理由もまた分かる。だって(アルベルと違って)難しいことはきっと求めないから。シンプルに、選手たちが最も気持ち良くプレー出来る環境を健太さんは用意する。この辺りは、風間体制期とマッシモ体制期におけるマテウス・相馬勇樹を観てきた名古屋界隈は腹落ちしやすいだろう。選手たちの成長に寄与するのは果たしてどちらか、それはまた別の議論である。

そうだ、忘れたいゴール置いとこか。もう味方だし。


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情とノーセレブレーションには期待するな東京界隈。

永井がイキイキとピッチで走り回る姿、容易に想像できる。相手にしてもきっとそれが嫌なはずだ。健太さんとアルベル、どちらの起用法が選手の魅力を引き出すのか。そう考えると、フットボールはつくづく奥が深い。

 

ちょっと見込み甘かったんと違うか

さて、これでスピードは手に入れた。あとはパワー。

もうここはレオナルド(ナウド)に祈る(一択)。ただ、万が一大当たりならこのチームバケるやも。というのも、この〝分かりやすい武器〟がなかったからこその今の順位。裏を返せば、健太さんのチームにはこの手のストライカーが要るのだと分かった前半戦。似なくていい。なのに案の定そこもマッシモそっくりな健太さん。


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日本で一番勝ち星を挙げている人が空いていれば行くでしょ!

正直にいえば、健太さん就任時に発した山口素弘GMのこのコメントにずっと違和感があった。優秀な監督なのは分かる。ただ、過去の実績はともかく、現在(いま)はどうだったのかと。Jで優勝を狙える力が果たしてあるか。直近の東京時代はどうだった。そう考えた時に、今日に至るまでの戦いぶり、この夏の補強期間の慌ただしい動きは、直球で言ってしまえば「見込みの甘さ」からきたものだとも思う。その最たるものが、繰り返しになるが〝クバの代役〟であり、健太さんにはやはり〝彼にとって使いやすい素材〟が必要だったのではないか。

ただ、だからこそこの夏の補強は悪くない。今の強化部に出来る(可能な)最大限の仕事だとも思う。

あとは健太さんにマテウスの共存方法を探ってもらうのみ。....ん?これ欲かいて永井、ナウド、マテウスのスリートップが良いのでは。....ア、アカン。「そんなスリートップは絶対上手くいかん」と東京界隈の怨念が強い。健太さん、浪漫は不要。地に足つけていきましょう。

最後になるが、あえてクラブには「二つ」要望したい。

 

ここから重要なとこです

まず一つ。長谷川健太時代のFC東京を超えよう。


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昨季のルヴァン杯準決勝を思いだして欲しい。この両者、互角だった。名古屋の何が優ったかといえばやはり〝堅守〟。東京の攻撃力をも凌ぐ力が昨季はあった。選手こそ違えど、それ以外の総合力はまさに互角。

そして今季の名古屋。昨季ほどの堅守はない(それが健太さんの取ったリスク)。ただ、そのリターンとしての対価(得点力)を得られなかったのが大きな悩みの種(それこそが昨季率いていたFC東京との大きな違い)。だからこそ獲ってきた永井謙佑。いや分かるよ。

でも意地悪な見方だけどそれでは東京と何が違うのか。

自分は、名古屋にFC東京っぽくなって欲しいわけではない。健太さんに、過去と似たようなチームを名古屋で再現して欲しいわけでもない。だってさ、もうそのチームは四年も東京の地で擦り倒したわけでしょう。同じようなことやってれば、そりゃ同じような選手が必要になるさ。失礼な言い方だけれど、その結果、天井がどこにあるのかはもう答えは出ているはずなのだ。

応援するからにはワクワクしたい(スリートップではない)。見たことのないチームが観たい(過去のスリートップ既に見た)。未来の姿を想像しときめいていたい。

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そこでもう一つ。もっと〝未来〟を提示して欲しい。

未来を想像できるなら、きっと今には未来に繋がる〝ストーリー〟がある。あくまで自分の気持ちだけれど、風間(八宏)時代にあって今ないものはそれではないだろうか。フットボールの良し悪しでなく、目先の結果でもなく、なによりあの時代に価値があったのはそこなのだと思う。まあ弱いのは罪だけど。そこは失敗だったな!

補強も含めたチーム作りから、そんな未来に繋がる何かを発信して欲しい。「俺たちは未来に向けてこういうチームを作ってるんだよ」と、もっともっと伝えようよ。

例えばこれまでの戦いぶりや今回の補強を経て、2年後(2024)に加入する榊原杏太は自身の活躍する姿を想像できるか。「児玉駿斗のような結末はもう見たくない」、多くのグランパスファミリーはきっとそう思っている。そろそろ繋いでいこう、トップとアカデミーを。ピッチ上のフットボールでも、繋いでいかないと。

それが夏の補強内容をみた、あくまで個人的な想い。

これが今の精一杯なんだとフロントの努力や苦悩も伝わるから悩ましいが。そんなこと言ってらんねーよと。

それこそ、この一〜二年は観ているこちら側もある程度は我慢して欲しいのかもしれない(それ言っちまったら元も子もないが)。実際、若い選手たちも積極的に起用したりと健太さんは種を撒いてる。そんな理想と現実の狭間でもがいてるのが今の名古屋で、それが実るまでは帰ってきた永井や、或いは名古屋に新天地を求めてくれた選手たちの意地とプライドに託すべきか。実際、永井とナウドのツートップめちゃくちゃ観たいしなあ。お金もない、(アカデミー以外の)有望株も来ないで、これまでのツケを払わざるを得ない期間なのかもしれない。この五年間のドタバタ劇の末に残った、大きなツケを。

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ただ、だとするなら今度は現在(いま)どれだけ苦しくてもクラブを支え続けている〝ファンサポーター〟をどう未来に繋いでいくかが問われる気がする。そう考えると、私のように小さな発信源であっても、今のチームの魅力を伝える努力をしていくべきなのかもしれないな。

そう、クラブに何があろうが、過去と現在で事情が異なろうが、多くのファンサポーターはずーっとこのクラブを支えてきたのだ。ずーっと見てきた。過去のこと、忘れてない。そのうえで今も必死に戦っているのだ。そういった人たちをどうやったら大切に出来るのだろうか。「なんか冷めた」「今のグランパスにはときめかない」こういうコメント最近よく見る。危機感覚えてる。

と、理想と現実の狭間でこのブログも揺れ動く。

ポジティブでいるのって難しい。ただ、悲観的でも、同時に楽観的でいることも時には必要かもしれない。誰だって理想の中で生きたい。でも、押し寄せてくる現実に対してどう折り合いをつけていくかも腕の見せ所だ。

あのとき永井が帰ってきてくれたから、ベテラン勢の意地と頑張りがあったからこそ今がある。そんな風に、数年後このシーズンを語れる日がきてほしい。そして、その証人に我々ファンサポーターがならないといけない。繋げていきましょう、皆で未来へ(文句言いながら)。

つーことで川崎。言っとくが俺らここから本気だす!