みぎブログ

主観で語りますフットボールを。

分かりあえるなんて夢物語だ

migiright8.hatenablog.com

先日のブログに対して、こんなコメントを頂いた。

「一切ささらない」

いやキッッッツ!!いや刺されし!何でもいいから刺されよ何か。こんなど直球な言葉、妻以外で貰ったことないぜ俺は(妻は変化球を覚えてくれません)。文字数の無駄遣いとか言うなしマジで(そこまで言ってない)。

ていうのは、半分冗談で半分本気。

とある鳥栖サポーター(知り合い)(いや知り合いかよ)から頂いたもので、真摯に受け止めた次第である。

後述するが、正直にいえば刺さらないだろう人がいることは分かってた。分かってて書いているから仕方ない。むしろ、正直にそれを言葉にしていただき、考えるきっかけ(とブログへの意欲)が生まれたことに感謝です。


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それにしても、負け続けるってホント嫌っすよね。

先日開催されたJ1リーグ第8節。ガンバ大阪サガン鳥栖の試合は、後半99分にガンバ大阪に逆転弾を喫し、またしても鳥栖は勝利に恵まれず。単独最下位となった。

ここまで勝てないとマジで荒むのよく分かる。私も(名古屋サポーターのくせに)その後は全気力を失ったよ。

負けるってシンドイ。負け続けるのはほんとツラい。

負け続けて何が嫌かって、ファンサポーター同士のいざこざが嫌。軋轢が生まれて、なぜか互いに罵りあって(2019年に19試合で1勝しか出来なかった苦い経験)。

そもそもさ、たまたま好きなクラブが同じだったってだけで、基本的に共通項はそれしかない。特段、人間関係(人付き合い)の気が合うかも分からないし、そのクラブを好きになったキッカケも、何故そのクラブが好きなのかも、更にいえばそのクラブに何を求めているかだって千差万別。「このクラブが好きだ」って共通項だけで同じように括られてるだけで、そこには見えない(互いが知らない)グラデーションがこれでもかと実はある。

でも勝ってる時は分からないし、見向きもしない。

問題は負けが込んだ時だ。そこでそれぞれの価値観(クラブに何を求めているか)が露呈し、気づき、相容れない点に摩擦が起こった結果、激しく衝突してしまう。

好きなクラブだからといって、全てを受け入れてるわけではない。当然、長く応援していれば不満もある。我慢もする。裏を返せば、それらは〝勝利〟によって有耶無耶になるし、ボヤけるものだ。それは、決して「都合が良い」との話ではなく、愛するクラブが勝利することで「納得させている」のが正直なところのはず。不満はあるが、それで勝てているのなら己のエゴなど取るに足らないと、グッと堪えられるのだ。もちろん、結果のおかげで、見て見ぬ振りが出来ていたとも言えるだろう。

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だからこそ、負けが続くと本音がでる。

勝負事である以上は、それに対する価値観も違う。とにかく勝利を求める者もいれば、ある種、勝利は二の次というか、まずは(自分にとって)面白いと感じられるものを見せてくれと願う者もいる。例えば、トップチームを応援している者もいれば、アカデミーに軸足を移して、クラブの宝たちを家族(親)のような想い(眼差し)で眺めている者だっているだろう。バラバラだ。

だから、同じクラブが好きだからといって、そもそも全部が全部、気が合うはずがない。そんなのは無理。

勝っているときは互いの事情など気にも留めない。一方で、負けが続くとそれぞれの本音がでる。そこで初めて互いの価値観の違いを認識し、人間性を知り、気が合う合わないと自覚するのだ。つまり、そういった価値観や背景の違いに、向き合わざるを得ない(否応なしに自覚せざるを得ない)のが負けが続く時期なのだろう。

例えばこのブログにしたってさ、「全ての人に共感して欲しい、理解して欲しい」なんて気持ちは皆無に近い。

いやそりゃ共感してもらえれば嬉しい。そういう声をたくさん貰えたら感謝もする。でも、一番はこの時この瞬間のこの感情を、どうしても言葉にしたい。言葉にしなきゃやってらんない。だからこそ形にしてるだけだし、つまり自分にとっては抑えきれない感情の逃げ道がこのブログにあるというだけ。ただ、「書く」以上は「読む」人がいるわけで、少しでも読んでくださる方に伝わるような形で書きたい。結果として、何か琴線に触れるものがあるなら、それほど有難いことはないわけで。あ、「金銭」を払いたい人はいつでもウェルカムです。

では、言葉を尽くせば誰とでも分かりあえるのか。

そんなのはどだい無理な話だ。もちろん、言葉は尽くすし、それは少しでも相手(ブログでいえば読み手)に意図が伝わって欲しいと願うからそうしているだけであり、しかしそれで「分かりあいたい」わけではない。

冒頭のコメントをくれた方を、自分は(それはそれとして)めちゃくちゃリスペクトしてるし(どんなサポーターさんか存じ上げているので)、それで嫌いにもならない。むしろ正直に言われて「そうだよね」と思った。

本当は、もっと媚を売るようなことも書けた(何に不満を抱いているのか、多少は理解しているはず)。きっと、それを書いていたら激しく共感を呼んだのかもしれない。でも、このブログはそのためのものではない。納得のいかない言い回しも多々あっただろう。また、こういう些細なことから、見ず知らずのサポーター同士に距離(軋轢)が生まれることも知っている(この方とはそんなことにはならないが)。でも、何度も書くけれど価値観が違うのは当たり前のことだ。それを受け入れて、尊重し、「でも同じクラブを愛してるからこそ起きる衝突だな」と思えるのなら、それは素敵なことだと思う。

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結局、出来ることは「相手を尊重すること」だけだ。

その価値観の違いを認めること。違う価値観があるのだと知り、それを否定しないこと。そして尊重すること。

どうしたらこの目線が揃うんだろうと四苦八苦しているケースも見受けられるが、そもそも(同じクラブを応援する仲間とはいえ)他人の目線を無理矢理揃えようなんて行為が私はおこがましいと思う。余計なお世話だ。

違いを認めること。その違いを尊重すること。綺麗事と言われようが、答えは至ってシンプルだと思う。

そりゃ腹立つことだってある。やたらと敵意向けられて、頼んでないのに勝手に泥かけていきやがる。ふざけんな絡んでくんじゃねえクソが(急に溢れだす本音)。

と、これだって本心だけど、そこまでいくと無視する他ない。「ああ(価値観の違う)誰かに己の怒りをぶつけないと自己コントロール出来ない人なんだな」と思うだけだ。そこと同じ土俵に立っても得することないもの。誰かに怒りをぶつけたとて、何も解決はしないのだ。

別に違ってもいい。共感なんか出来なくてもいい。

でも、どれもこれも根底にあるのは「みんなそのクラブのことがどうしようもなく好き」これだけでしょう?

それだけで充分じゃん。そんな関係性の方がレアだよ。

バラバラになったのではなくて、そもそもがバラバラの関係性だっただけ。本質的には何も変わってない。

負けが込むと、当たり前だったことが急に一大事みたいになってしまう。別にこれまでだって同じだった。いつもバラバラだったし、価値観が揃った試しなどない。それでも、たった一つのクラブの存在が、それらを繋げていたのだ。各々の「好き」の熱量が凄いから、上手くいかない時にその熱量が様々な言葉や態度で放出されてしまうのも至極当然のこと。問題ない、普通のことだ。

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監督に納得いかない。そんな気持ちも理解できる。

そういった感情が強くなればなるほどに、「どうせなら負ければいいのに」と、気づけば愛するクラブの勝利すら素直に願えなくなる気持ちも、正直にいえば分かる。

例えば、私だったらまず田嶋ね(呼び捨てかよ)。2018年のワールドカップは、マジで素直に日本代表を応援出来なかった。無です無。何も感じなかった。要は「自分ごと」ではなかったのだ。あれは日本代表の姿をした、(俺の中で)他国のチームだったわ。あと、名古屋グランパスでいえば2019年。風間八宏解任後のマッシモフィッカデンティな。最初はマジで嫌ってた(時効)。「アイツハ、ケムリヲウルオトコダ」とか無言の八宏を切り刻みやがってさ、なんだか応援していた私(達)まで否定されたようで、当時はほんと許せなかったんだ。

好きなクラブのはずなのに。負けていいなんて思わないのに。でも、なんだか素直には喜べない。凄え分かる。

こういうモードのときが一番ツラい。でも、嫌いになってしまうのは何かしらの原因があるわけで、それを無視して「もっと好きになれ」「もっと素直に応援しろ」と無理強いする権利も当然ない。その人はその人で、自分の中に生まれる矛盾と葛藤して、戦っているのだから。

本当は誰だって素直に応援したいんだ。だって、そうじゃないと勝ったときに心の底から喜べないもの。でも、「好き」が強いからこそ、譲れないことだってある。

それでいいと思う。何一つ、否定されることではない。

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書きながら気づいたが、サポーター生活は夫婦生活と同じでは(やめろ)。相手の嫌なところは結婚して共に生活することで分かるしさ(本当にやめろ)。「逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ」と碇シンジくんより唱えてる自信もある(それ以上は駄目だ)。なんでや逃げりゃええやろと思うのに逃げられない。「穏やかでもいられた人生に無理やり起伏を与えてくれる趣味それがフットボール」と東大クイズ王も言ってたよ。私にとっては家の中も外も起伏だらけだが(やかましい)。

結局のところ、誰しもがその対象を好きだから逃げられない。でも、その事実だけで充分な気もするのだ。

おっと、ここに私の妻の話は該当しませんよええ。

あー勝ちたいよねー。みんな勝ちたいよ。勝ちたい。

ファンサポーターだけではない。選手たちも、スタッフも、なにより監督だって、皆勝ちたいに決まってる。

どれだけそこに軋轢が生まれようと、その気持ちが最後は皆を一つにしてくれるよ。それが、フットボールの持つ力であり、素晴らしさなのだと信じて疑いません。

みんな頑張れ。俺も頑張れ。折れんなよみんな。

週末は、首位セレッソ大阪を私は倒しに行きますが、遠い愛知の地から、懲りることなく勝ちを願ってます。