みぎブログ

主観で語りますフットボールを。

我々ファミリーを繋ぐものそれは「愛」

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18、15、10。

この数字、何だと思いますか?あ、先に言っておきます。僕のモテ期3回きたタイミングじゃないです。僕の予定では多分もう一回きますありがとうございます。

これは我々が降格した2016年、J1昇格後の2018年、そして今季のリーグ戦連続未勝利試合数です。

率直にエグいです。ドエム体質じゃないと正気じゃいられません。こう見ると少しずつ成長してる錯覚に陥るくらいには麻痺してます(ちなみに今季は直近14試合で1勝です)。

しかし世の中おかしなものでして、何故か観客動員数だけは右肩上がり。2018年はホーム年間入場者数が444,243人。1試合平均にすると過去最高の24,660人。今季に至っては「鯱の大祭典」と銘打った夏のホーム4連戦、まさかの全試合チケット完売。ちなみに初戦のガンバ戦まで安定の8戦勝ちなし。みんな頭のネジ飛んじゃってます。いや凄い。何が凄いって、その完売の連戦を1勝1分2敗で完結させるクラブ凄い。

最後の東京戦。思い切って有休使いました。昼からビールとか飲んじゃって、意気揚々とスタジアム向かって。駅出たらとんでもない大行列。しかも雨。どれが何の列でどこが最後尾か分からないカオス。控えめに言って地獄。弱いのに人気があるあの現象。不味いのに行列が出来るラーメン屋なんてありえないのに、勝てなくても行列が出来るチームはある。そしてやはり負けた。書いてて悲しくなって参りました。

いや、我々よりネクラ自慢出来るクラブがあったら申し訳ないんですが、それにしてもここまで毎シーズン勝てないチーム珍しいよ。ていうか、それで観客動員だけ絶好調なクラブ、そうそうないでしょう。ダイナミックプライシングも絶好調。これはもちろん嫌味です。いやはや、クラブで働く皆様の御尽力の賜物以外何物でもないわけですが、それにしたって普通行かない人は行きません。勝てないのに、強くないのに、それでもスタジアムに行く方が減らないとんでも現象が起きてるクラブが我々名古屋グランパスです。

これ、何なんでしょう。

試合当日の行動から考察する麻薬の正体

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別にどれだけ負けてても、しょっぱい試合しても、次の試合になれば楽しみなんですよね。スタジアムに足を運ぶ何万人の皆さんを代表してこの動員を説明出来る能力はないので、自分はどうかなと考えてみました。

まず妻と娘の嫌味ソングに耐えることから1日は始まります。「今日はサッカールーンルーンルーーン♩」ほんと作詞も作曲もクソみたいな歌なんですけど、気づけば娘も歌うようになった恐ろしい悪魔ソング。これに耐えながら玄関で今度は娘からツンデレされます。「....パパ行かないで涙」。ぬああああ可愛い!でもパパは行ってきます飯はちゃんと食えよ。

外出に成功したら、友人とまず居酒屋に行きます。もおダラダラ飲むだけです。大体お店出たら「よし、満足したし家帰るかっ!」って言ってます。とまあそんな本気半分冗談半分なやり取りをしつつスタジアムに向かうわけです。今日こそは勝ちたい。今日こそ出口よ見つかれ。その時だけ引くぐらいポジティブです。で二時間前のスタメン発表でスマホチェック。八宏が相変わらずぶっ飛んだスタメン組んでてちょっとまた酔いがまわります。これ2年半の定番の流れです。

よしスタジアム着いた。はい試合始まった。ばんばん決まりますわ。相手のカウンターが。馬鹿の一つ覚えかってくらいやられます。悔しいかなうちの妻でもテコ入れするレベルですが、風間監督は全く気にも留めない。「それは我々が起こしてしまったことなんでね」。デタこれ。もはや名古屋の方には定番です。やれなきゃやられます。やられた場面をとやかく言っても仕方なし。だって奪われるのが悪いんだから。あっはっは、飲むよね。飲むに決まってるよね。

はい負けたー。スタジアム出たら行きとは景色が違います。まず単純に外暗い。心も暗いから足取りは重い。会話もテンポ悪い。そもそも話してる内容も覚えてない。帰りの電車がキツい。暇じゃん、携帯付けるじゃん、Twitter開くじゃん。もう地獄のようなネガティブワードがばんばん目に入ってくるわけ。かー!堪える。スタジアムで吐き出せなかった俺の心の声達が躍動している。隣の友人の存在も忘れます。「アレ俺こいつとどれだけ会話したっけ」と別れ際に思いつつにっこり。ちなみに帰りは居酒屋行きません。もう私喋る気力がありません。あんなに自宅を飛び出したかったのに今は自宅が恋しい。早くトイレに行きたい早くお風呂に入りたいあーていうかもう寝たい。こうやって1日が終わります。

おはようございます、週が明けました。あら不思議。もう週末を待ち焦がれるおじさんここに居ました平和。でね、試合近づいてくると監督会見あるじゃないですか。読みます。なんかまたそれらしいこと語ってます。あ、なんだこれ、不思議と勝てる気がしてきたぞおおおあおおおお!!!!!!!

病気じゃん。サポーター、ちょっと病気じゃん。

そこにあるのは「愛」(米津玄師が言ってた)

この繰り返しなんですサポーター。名古屋では「ファミリー」なんて言ってますけどね。あれだけ勝て勝て言うのにさ、結局負け続けても観に行くじゃん。混乱。自分が分かりません。そりゃあ皆勝ってほしいに決まってます。勝利ほど幸せなことなんてございません。でも負けてても楽しいもんは楽しいんですよ。そこにそれさえあればね。

たまたま最近、米津玄師のインタビュー読んでいたら、彼は今フットボールに夢中らしい。「愛」だって。フットボールからは「愛」を感じるって。ああそうだなあって思った。最近ずっと考えていたのは、これだけ勝てないチームで、でもこのチームを理解したいとお節介にも発信までして、時に喧嘩売られて。Twitter見ればいつも誰かが怒ってて、擁護派だ否定派だの対立構図でバトルしてて。なんてアホらしい。やりたい人で勝手にやってて欲しい。あー自分はなんでこんな気持ちになるんだろうとか、それでもなんで期待して、スタジアム行って、裏切られて、また期待するのかと。風間監督、実は超がつく優秀なホストで俺貢がされてんのかな。

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いやおっさん。紛れもなくおっさん。ここ理由違う。

とするともう「愛」なんですよ。それ以外説明出来ない。

最近Netflixで「サンダーランドこそ我が人生」を今更ながら一気見しました。あれは皆さんに見てほしい。もう、愛しかない作品です。愛で出来た作品、そうとしか説明出来ない。

www.netflix.com

もちろん愛なんて人それぞれの解釈や形があります。僕にとっての愛とはなんだろうと考えてみると、「相手を理解して、尊重し、常に想うこと」ですかね。うわ気持ち悪いですね。どの口が言ってんだとこの口をぶん殴りたい。

何かと話題に事欠かない風間監督にしたって、何故この2年半応援し、自分なりに彼のフットボールを考えてきたかって、そりゃ名古屋の監督だからです。我々のフロントがチームを託した人間を深く知りたいから。理解したいと思うから。期待したいから。動機なんてそれだけです。それでは飽き足らず、その気づきや自分なりの想いもシェア出来たらもっと楽しめるなあなんて調子乗って今がありますが。

これだけ勝てないと言われるじゃないですか。「風間、お前が成長しろ」って。いつまでやってんだと。でもね、僕はこう思うんです。「ブレたら、終わりでしょ」って。僕が知る限りにおいて、もうその時点でこの人じゃなくていいんですよ。その道なら多分もっと優秀な方いらっしゃるでしょう。これだけ好き勝手やってさ、今更「勝てないからもう少し常識的にやります」って、言葉悪いけどクソダサいから。

僕から見ても非常識なことだらけです。毎回言ってる意味全然分からないし。でも2年半応援してきて、多分この方の魅力は、我々誰しもが非常識だと思っていることを覆してくれるんじゃないかって、そう期待させるところなんでしょうね。理屈を超えた先に、何か面白いものが観れるんじゃないか、そう思わせる力。彼には見えているんだけど、僕たちには見えていないもの。それをピッチ上で、選手達のプレーを通じて見てみたい。彼に課せられた使命って、ほんとはそこなのだと思う。だからその道から降りた瞬間、彼にもう価値はない。彼はどうしても「止める蹴る」とか、その理論に目が行きがちなんだけど、実は監督としての彼の魅力はそこじゃなくて。まともになったら終わるなって、そう思う。

でも見えないわけだから我々は不安になるし、成功する保証もなくて。最後の総括は「やっぱり非常識は非常識だな」って、馬鹿笑えねーよって結論になるのかもしれない。

あえて誤解を恐れず書きますが、僕はそれならそれでいいって思ってるんです。駄目だったね、あいつ口だけだったねって。どこかでそれでいいと思ってる自分がいて。だってさ、我々がそれを自分の信じるものに従ってどれだけ否定しても、ぶつかっても、悲しいかな何も変わらないから。そこまでの権力もなければ、そんな立場にもない。そもそも自分の常識、正義なんてどこかでちっぽけだと思ってるから。我々は愛するクラブから毎日多くの歓びと哀しみをもらいながら、彼らが信じ進む道に「応援する」「ともに闘う」そんな形でそっと背中を押してあげることしか出来ない。それで駄目でも見放さず、「また頑張るか」って。そう無言で寄り添って懲りずに応援を続けるしかないんです。多分それが「ファミリー」なんだ。もちろん前述の通り、愛には様々な形がある。誰もがこうであれなんてこれっぽっちも思わない。かくいう僕も、「おい流石にそれ駄目だろ」って思うこと、そりゃある。腹立つこともある。全然文句だって言う。でも結局さ、現実に我々が出来ることなんて、そうやってわーわー言いながら彼らを見放さず応援することだけなんです。

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だから風間監督が正しいと思うことを貫いて、それを信じて選手達が日々頑張っている内は、例え綺麗事だと言われようが僕は応援し続けます。いや、J2は落ちたくない!当たり前でしょ。落ちたくないけど、その道の先の結末が仮にそうなら、仕方ないと思う。上手くいかなかったねって、またやり直すしかないじゃん。仮に残留出来たとして、その戦いをクラブが評価しなければ、「まあ風間監督の理想では結果がついてこなかったですね」って、その尽力に感謝しつつ、お別れすればいいんじゃないですか。クラブが進む道が正しかろうが間違っていようが、僕たちは好き勝手声を上げながら、それでも応援して、その行く末を見守ることしかできないのだから。そうやって喜びと悲しみを共有しながら、一緒に歳を重ねられればそれでいいんじゃないでしょうか。

悲しいかな常に己の理想通り進むことも、己の常識がクラブの常識になることもない。彼らが進む道を共に歩むだけ。

愛が深ければ深いほど、真剣であればあるほどそれは自分ごとで、その分歓びも、もちろん悲しみも大きなものになる。仲間でも意見は異なる。でも「こいつ意見違うな」そう思っても、普通に笑って話せる人達とずっとわーわーやってたいなとは思う。それで罵り合うのではなく、意見は違っても、そんなの違って当たり前だとどこかで思いながら、まあでも俺たちこのクラブが好きだから仕方ねーなって。一緒に笑って泣いて楽しめる仲間がね、いいなって思う。

思い出そう、学生時代のあの黄色い声援を

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クラブが最終的にどこを目指しているか。どのルートからそこを目指すのか。そもそもどの山を登ろうとしているのか。僕たちには決められないんです。俺が考える理想の頂、理想のルートがあって、その通りに行けと喚いても、それで進路は変わらない。彼らが進もうとするルート、その先にある目的地をイメージしながら、その背後に立ち、ともに歩んでいくしかない。ときに支え、ときに鼓舞し、その道を理解し、ともに笑い、ときに泣いて、隣にいる奴とべちゃくちゃ文句言いながら、一緒になってついていくしかないんだ。

だからね、文句言いながらでも応援はしたいんです。今誰よりも苦しいのは選手達だから。きっと持っている常識からすればありえないって思うこと、なんでここを直さないんだって歯を食いしばってること。あるに決まっていて。勝てなくて、自信が揺らぐこともあるでしょう。それでも前に向かう選手達を僕らが期待してあげれなければ誰が期待するのか。いいじゃないですか、それで駄目なら「よく頑張ったな」って、心の中で背中さすってあげようよ(触れられないし)。「学生長距離走理論」思い出して。ツラい長距離、罵声浴びながら走れないよツラいもの。男は暑苦しい輩でも応援されたら嬉しいし、それが女性ならその三倍走れるんです。

あぁ、無償の愛って、忍耐、忍耐、時々の幸せですね。

ちなみに直近の夢、いつか風間監督が次のクラブに移った際、「取説だと馬鹿やろう。この長いブログ全部読め」と吐き捨て、この何年間の心の揺れ動き具合で全て悟ってもらうこと。このブログのトリセツ書きましょうか。悲しいくらい長文です。西野カナみたくポップな曲にも仕上げてません。

どろどろのノンフィクション。これだけは永久保証。