みぎブログ

主観で語りますフットボールを。

負けたものなど誰もいない

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駄目だ。あまりにも疲れた。

行きは雨の影響で新幹線が新横浜で停まり、大雨の中戦ったルヴァン杯の決勝は、信じられないような緊迫感のまま120分を戦い抜いた。試合が終わり、スタジアムの外で仲間と会ったときには、大雨と寒さに加え、まるで選手たちかの如く戦い抜いて疲れきったサポーターの姿があった。そして今、このブログは(またも雨の影響により)2時間以上閉じ込められた品川駅で書いている。

今日は、何度も心が折れそうになった。

リードしてもリードしてもアルビレックス新潟は喰らいつく。これで勝った!と思っても、諦めることなく試合を振りだしに戻すのだ。頼む、勝たせてくれよ。俺たちの邪魔すんな。俺さ、妻の逆鱗に触れてでも家を飛び出してきたんだって。昨晩は子供が大泣きだった。「パパなんで!?パパも婆ちゃん家行こうよ!パパだけ行かないのおかしいじゃん」。そう、私に呆れた妻は子どもを連れて実家に帰った(家を出て行ったわけではない)。

試合前は、決勝戦って最高だと浮かれていてさ。

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どちらにも優勝のチャンスがあり、希望に胸踊らせて。家出するみたいに自分たちの住み馴れた地を飛び出すあの光景(繰り返すが妻は家を飛び出してはいない)。X(sns)で朝の新潟の様子も見ましたよ。何アレ?街ごと移動する勢いで正直怖かったです。でもね、名古屋駅名古屋グランパスのファンサポーターでいっぱいだったんだから(負けじと)。あんな光景さ、やっぱり「決勝戦」じゃなきゃ見られないじゃん。お互いがお互いの街から繰り出していくあの希望に満ちた朝だけは。

でも、試合が進むにつれ、心境は変わっていた。

「これ、負けて帰るのだけは絶対嫌だ」と。負けたら何も報われないじゃんって。そんなの辛すぎるよ。。。

あんなに希望しかなかったのに。こんなに(家庭の)リスクも取ったのに。いつまで試合やんの?選手たちが頑張ってくれてさ、前半で2点も取ったのに。なんで!?なんで新潟は気持ちよく帰らせてくれないの?

絶望しろよ....永井謙佑のことトラウマになっただろ?

諦めろよいい加減....。なんでそんな頑張れんだよ。

試合終了まであと数分。中山克広がファウルを犯し、新潟の小見洋太がPKを決めたとき、スタジアムが新潟のファンサポーターの声で揺れていた。それは地鳴りのような圧倒的な歓声で、スタジアム中が新潟の味方のように思えた。あと数分、あとワンプレーだったのに....。

延長戦。一生悔いに残るようなプレーをしてしまった感のあった中山だが、ここで起死回生の一発をぶち込む。

よっしゃあああ!!!!これでさっきのはチャラや。健太の采配ミスとか2回くらい言ってほんとごめん!(懺悔)これでええ。お互いによくやったと讃えつつ、それでも俺たちが気持ちよく帰れるやろ。そう思えた。

しかし信じられないことにまたも新潟が喰らいつく。

嘘だろ....また小見だよ。もういいじゃん。寒いし長いしもう帰らせてくれよ....手ぶらで帰りたくないんだって。

俺ね、「相手が新潟さんで良かったな」って試合前からずっと思っていて。この決勝戦をほんと楽しんでいて、ファンサポーターどころか、もはやこの決勝戦が街の一大事みたいでさ。同じファンサポーターとして、その気持ちがなんかめちゃくちゃよく分かるなあって。あまりにもその様が素敵だから、「ああこのクラブが決勝戦の相手でほんと良かったな」って。心からそう思って。

「俺たちさ、自分たちの人生にフットボールがあって良かったよね!」って。なんか真面目に思ってて。

でね、不思議と延長戦あたりから、新潟の選手たちの姿にもリスペクトし始めてる自分がいて。もちろん勝ちたい。勝ちたいよ。でもさ、これだけお互い素晴らしいゲームをして、負けたら悲しんで帰るって。それなんで?

お互い笑って帰らせてよ....こんな最高のゲームなのに。

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試合は名古屋が勝った。たしかに名古屋が優勝した。

でもね、クサイ言い方にはなるけれど、私は初めて「両チームの選手たち、両クラブのファンサポーター、どちらも負けていない」って、心から思ったんだよ。全員負けてないって。あのスタジアムにいた人たち全員の存在が、今日のゲームを作り上げたんだよって。もちろんそんな綺麗事じゃないって分かってる。でもさ、それでも私は心からそう思う。全員が素晴らしかった。

記録は名古屋の優勝だ。その土産を持って私は帰る。

では、新潟には何も残らなかったのか。手ぶらか?

絶対に違う。新潟の選手たちのプレーも、それを応援する圧倒的な新潟のファンサポーターの声も、あのスタジアムにいた全員がきっと忘れないでしょう。とにかく圧倒的だった。何度もやられると思った。凄まじい「想い」だった。名古屋に決して負けてはいなかった。

だからどうしても伝えたいんだ。

ともに、胸を張って自分たちの街に帰りましょうよ。

長倉幹樹の大粒の涙がビジョンに映ったとき、スタジアム中が拍手をして彼を鼓舞した。新潟のファンサポーターだけでなく、名古屋のファンサポーターも。

あれはさ、励ますためじゃないんだよ。本当に心打たれたから、あのピッチにいた選手全員に感謝していたから、私たちも自然に拍手をしたんだ。これだけのゲームをして、決着がつかなくてさ、それでも敗者を決めるって、「決勝戦」とは、なんと残酷なんだろう。

今日の試合をともに誇りに思いたい。一生語り継がれる、記憶に残るゲームを我々の手で作ったのだと。

新潟の皆さんに、最大級の感謝とリスペクトを。そう、残ったのはリスペクトだけだった。

今日の試合に、敗者は誰もいない。

今日のアルビレックス新潟の姿を、決して忘れない。

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