みぎブログ

主観で語りますフットボールを。

【居酒屋トークで語りたい】第一回 vsガンバ大阪

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早速ですが、最近、こんなツイートをした。

まず言っておくと、病んでいません。このブログを始める前に、今回のブログ内容に至った経緯を少しばかり語りたい(ガンバの話は皆無なので、長ければ青字を華麗に飛ばしていけ)。

最近は各チーム、試合後のレビュー記事が沢山あがるようになり、私自身ちょっとお腹いっぱいなところがあった。こんなにテーブルに料理並べられても、これは消化しきれんぞと。

レビューって実は難しい。そもそも見てる題材(試合)が皆同じ、またそれを伝える手法も(例えば作図一つとっても)基本的には似通る。おそらく多くの人にとって、それはどれも同じように見えているのではないでしょうか。自分が書いたものも、もれなくその対象でしょう。レビューブームのこの流れも、他の世の中のあらゆる出来事と同じで、やる人間が増えれば、不思議とある程度は類似してくる。正直、私も好きな書き手さんのものしか読みません。次のフェーズって結局は「誰が書いているか」、そりゃこうなる。

最近はそんな想いもあって、自然と「レビューとは別に、よりざっくばらんに楽しめるコンテンツは書けないものだろうか」と考えるようになった。「あの手の似たような内容は読むの疲れたわ」、そんな抵抗感も少なからずあるだろうと。で、唐突ですがこれです。

「おれは居酒屋トークがしたい」

続けます。試合後の振り返りだけではなく、次の相手、名古屋の前に立ちはだかるチームはどんなもんじゃいとあれこれ話すのも面白くないですか。つまり「プレビュー」。

これ、プレビューとレビューはどちらか一方では成立しない。成立しないのだけれど、案外試合が終わると、次の試合に目がいくサポーターも多いのではないかとも思っていて。正直、終わった試合なんぞ振り返らないし、図なんて見てるだけで頭痛いぜって人、いるでしょう。私たちが勝手に好きでやってる労力ってそれはもう大変なものなのですが、とはいえそう考えるサポーターも間違いなく存在するはず。いや、もしかするとその間口の方が広いかもしれない。で、そこのニーズと、最近なんとなく考えていたことがマッチしている気がしたので、今回は次節対戦する相手を私がどう見たか(お前かよとがっかりしないで)、それを言葉にしたい。結果として、これを読んでくださった方の週末がより良いものとなるように。これがなによりの目的。

おそらく自チームのことは、毎試合追いかけてるサポーターなら皆が皆ある程度同じレベルの情報は持っている。だったらいっそ相手に軸足置いてやろう。プレビューって、意外と読み流していませんか?それは例えばプレビューで書かれている内容にそもそも興味がないのかもしれないし(どうせすぐ試合見れるんだからいいだろと)、熱心な方は食べる前より食べた後の感想を話している方が面白いからかもしれない(よってレビューが流行ってる)。

ただ一方でこうも思うのです。これから何を食べに行くのか、それすら知らないのは、実はものすごく損しているのではないかと(意味がわからなかったらすいません)。つまり何がでてくるか分からないディナーより、せめてこれから何を食べに行くのか理解していた方が楽しみになりませんかと。「明日夜、外食するぞ」と、「明日夜、焼肉行くかっ!」、これどちらの方が楽しみですか?事前に知る必要がないのは味です。食べ終わった後の感動まで知っておく必要はありません。この例えクドイですかそうですよね。

プレビューとしての完成度は、例えば名古屋だとグラぽページの方がはるかに丁寧そして読みやすいので、そちらもぜひご参考にしていただきつつ、こちらは少し異なるアプローチをとりたい。「試合前に居酒屋でべっちゃくってる感じ」でラフに、緩く。

ガンバ大阪です(いきなりいきます)。

開幕戦、そして第二節を観た。感想を一言、「名古屋の遠い親戚やな」。

私の印象としては、ツネ様は原点回帰したいんだなと。彼らの場合、それは黄金時代への回帰となる。しっかりとボールを握って、主導権をもったまま、攻めて、攻めて、攻めるスタイル。それだけ聞くと「なんだツネ様はヤッヒーの義理の兄弟か」と思いそうだが違う。細かいディテールは異なるのです。それは例えば名古屋でいう「止める、蹴る」の合言葉であったり、守備は個人な!よろしく頼むみたいなチームの土台となる考え方。ここは違う。ただし、ボールを大切にしようぜ、俺たちのベースはあくまで攻撃だぜ、ここの部分はお互い共通している。

さて、ざっと一つずつポイントをあげていきたい。

一.「とりあえずビルドアップ(繋ぎの段階)でミスると詰むから」

これで清水はある意味、自滅した。 繋ぎでガンバの網に引っかかると、そこからのショートカウンターはべらぼーに速い。誰が速いって、あの韓国人(ファンウィジョ)が速い。

味方がボールを奪ったと察知した瞬間の切り替えは、もう断トツで彼が速い。相手の最終ラインの裏側に一気に加速、当然味方もそれは折り込み済み。というか、ガンバは前線が基本速い。彼以外にも、小野瀬や倉田。チームとして、ショートカウンターはかなり意識している印象を受けた。明らかにギアが上がる。そこの前線の選手たちの個性、カラーは名古屋と異なる。故に、得意とする攻撃に違いがあるのが面白い。名古屋は決して「裏に速い」わけではないので。

名古屋の特徴である「丁寧に繋ぐ」「浅い最終ライン」、どうですかこれとの相性の悪さ。例えばこの試合に千葉使ったりすると分が悪いはず。

とにかく先制点を許さないこと。リードされて前半を折り返すなんて展開は相手の思うツボ。なぜなら彼らにそのアドバンテージを与えると、明らかにこのショートカウンターが最大の武器となるから。チームとしても、その戦い方に移行する。清水戦のスコア自体は2-4とガンバの大勝だが、実際は点差ほどの差があったとは思わない。清水としたら、追いかける展開で前がかりになった時間帯にミスが多すぎた。

二.名古屋と中盤の構成も崩しのイメージも似てんな!

役割分担が似ている。攻撃の絶対的司令塔である遠藤は、もちろん名古屋でいうジョアンであり、守備全般の尻拭い頼むという意味で、今野は米本に近い存在。前に強いか後ろに強いかの違いはあるにせよ、コンビを組むお互いの攻守の比重はかなり近い。

先ほどショートカウンターを取り上げたが、一方で通常の攻撃はどうかといえば、左サイドからの崩しがメイン。これは露骨です。とにかく左サイドで数的優位を作って、ダイレクトないしは数タッチでのパス交換から切り崩しにかかる。

どうですかエグいでしょう。名古屋だと、2017シーズンの後半戦にこういう崩しが多かった。ガンバはかなり人をこのサイドに集めます。アデミウソン、倉田、遠藤、藤春、驚くことに今野もくる。つまり4〜5人が左サイドに集結して、(多分)人数点呼してから止める蹴るで切り崩しにかかる。

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それにしても倉田は賢い選手。名古屋に一人引き抜けるなら(私は)彼を選ぶ。技術、戦術眼、走力、ユーティリティ性。三拍子どころか四拍子揃う優秀なオフェンシブハーフ。対して右の小野瀬は最終的な局面で、ゴールに直結する形で絡んでくる。彼はポジショニングが秀逸。いつも敵が嫌がる場所、それは例えばライン間や相手のボランチ脇、そこに立つことを意識している。シュートの技術も素晴らしい。そもそもJ2を主戦場として慣らしてきた選手が、ガンバの中盤で普通にやれてるのが凄い。

ガンバはこの二人のオフェンシブハーフが優秀。名古屋とはシステムも同じ、このポジションの基本的な役割も同じ。場所に縛られず、自由に動く。基本は中に絞るし、持ち場と逆サイドに平然と加勢もする。そのあたり、チームとしての流動性を担保してるのがこの二人。対して名古屋、実はこのポジションだけなかなか選手が固定されていない。それだけチームにとって重要なポジション、役目である裏返し。そして非常に難しいポジションともいえる。ガンバに関していえば、先ほど書いた通り二人の個性やチームの攻め方が明確なため、若干左右の役割が非対称ともいえる。右の小野瀬の方がよりフィニッシャーに近い。必ずゴール前に飛び込んでくるので、イノシシ(吉田)頼んだ。

とまあガンバといえば、やはり昔から中盤のカルテットが大きな魅力だったわけで、その点は今も同じ。おそらく、ツネ様はそこを非常に大切にしている。

三.ただ試合の主導権を握られるとわりと脆いかもしれん

そうは言ってもやはり高齢化は気になるところ。主導権を握れば強いが、握られると脆い。その代表的な試合となってしまったのが横浜戦。名古屋と同様、最終ラインの4人と中盤の4人がブロックを組む形だが、その4と4の隙間という隙間を横浜に好きなように使われたのが開幕戦。誰が誰見るんだ問題があらゆる場面で頻出し、はっきり言ってテンパっていたと思う。昨年、豊スタで横浜とやったときの前半の名古屋と一緒。横浜、嫌いですね分かります。「走る」のではなく「走らされる」と、遠藤の魅力も当然半減する(むしろここが狙い目となる)。よって前と後ろで間延びするケースも多々見受けられる。名古屋と一緒です一緒(だから米本なり今野は価値があるという話)。

四.ファンウィジョのシュートが枠に飛びすぎる

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あれは理屈じゃない。どの位置から、どんな態勢でも、打てると思えば狙ってくる(どうです写真のこの躍動感)。で、それがことごとく枠に飛んでくる不思議。あの意地でも枠に飛ばしてくる現象は名前をつけるべき。彼はまさに韓国人らしいゴールゲッター。なんでも打ってくるから楽、いやいや、どこからでも狙える自信が怖いんだ。

彼の背後やサイドに開いて起点となるアデミウソンとのコンビも良好。むしろアデミウソンの方が、かなりファンウィジョに気を遣いながらプレーしている印象すらある。「柔」のアデミウソンと、「剛」のファンウィジョ。昨年の吹田での開幕戦だけで判断するなかれ。あのときは4-5-1のサイド。今は誰よりもゴールに近い位置。守備のタスクもかなり軽い。「お前はとにかく『ど真ん中』『最前線』でゴールを奪うために存在しろ」、それが彼に課せられた唯一にして最大のタスク。クロスにも必ずニアに飛び込んでくるから絶対目を離さないで。

五.最終ラインは道半ば

三浦と、新加入の韓国代表キムヨングォンのコンビはまだまだといったところ。ラインが揃わず、そのギャップを使われるシーンも度々見受けられるため(お互いプレーの後に「上手くいかねえなあ...」って顔してる)、ここはジョーに分があると予想。

また左サイドの藤春。彼のサイドの裏側は相手にとっては使いたいポイント。横浜戦は、相手のインサイドの選手がここ目掛けてがんがん裏抜けしてました。清水も明らかに藤春のサイドからガンバを攻略しようという意図があった。あと、逆サイドからクロスが上がった際のマーキングが怪しい。中に絞りすぎて、大外の選手が全く見えていないシーンが散見される。これは藤春だけの問題ではなく、相手がペナルティエリアに大勢で侵入してくると、枚数が足りなくて大外がドフリーみたいなパターンでチームとしての問題でもある。これまた名古屋と同じ。お互い苦労が絶えんな。

「中のマーキングが怪しい」「サイドの守備に不安を抱える」の二点セットで、王道はやはり左右に揺さぶって外からのクロス。ただ残念だ、多分名古屋はこれ分かっててもやらない、やれないの二点セットなのです。

【結論】名古屋の右サイド、ガンバの左サイドの攻防が鍵

結論として、私の注目ポイントはここです。

攻撃でいえばこのサイドがガンバ攻略の糸口であること、守備でいえばガンバの左からの攻撃が強烈なので、ここをどう止めるか。この試合は、どちらのチームが相手のボールを取り上げることに成功するか、つまるところこれだけである。お互いボールがなきゃ困るチームなので。そしてもう一つ、何点入るかはともかく一つだけ断言できます。間違いなくスリリングな、エンタメ性抜群の試合になるでしょう。

で、問題は名古屋が右のオフェンシブハーフに誰を使うか。普通に考えればシャビエルがここに入って、大阪の皆さん復活しましたよと赤﨑をジョーと組ませるはず。

個人的には先発予想はしていないが、例えば相馬もセレッソ戦よりは、ガンバ相手の方がスペースがある分、やり易いでしょう。やり易いが、藤春と同じ土俵に立って走りあいするメリットがどうかというところ。もちろん守備だけ考えれば彼の方がシャビエルより計算出来る。清水は最終ライン5人、中盤に3枚のフィルターを置いて、それでもなおガンバの左サイドで数的優位作られてやられましたからね。名古屋の最終ライン4枚、中盤4枚(いや実質2枚)のブロックでどう守るんですか大丈夫!ボールを持っていれば攻められません!

ただ、風間監督は相手に合わせた采配はしないので、まあきっとシャビエルだそうに違いない。全ては「ボール保持」を前提に作られたチームであると、私たちはルヴァンで学んだばかりです。

ということで、参考になったかは分かりませんが、これを読んで少しでも週末の試合が楽しみになってもらえればありがたい。ただ先に書いておくと、次回以降の予定は当然未定だ。

なんせわたしは理想の旦那、理想のパパなので。